ふみあき

ブルース・ブラザースのふみあきのレビュー・感想・評価

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)
4.2
 最高のエンタメ映画。映画というより音楽そのものだった。話の筋は、自分が育てられた孤児院の金策のためにバンドを再結成し、ライブをするという話だが途中から警察、元カノ、ネオナチ、軍なんかが追っかけてきてハチャメチャのドタバタコメディ。挿入歌や出演者がとにかく豪華で、例えばジェームス・ブラウンやらレイ・チャールズやらアレサ・フランクリンがチョイ役として出てきて、唐突に歌ってくれる演出は話に全く関係無いのだが、それ故に最高に自由。全体を通して終始音楽が掛かりっぱなしなのだが、媒体は単なるBGMだったり、レコードだったり、ショーパブ?のバンドだったり、ミュージカル風の演出だったり、ライブだったり様々。掛かっている音楽とストーリーがシンクロして進行とかは特に無くて、ひたすらにカッコいいブルースやらブラックミュージックが流れる疾走感がただ最高。極め付けは警察とのカーチェイスなのだが、何台ものパトカーがアホみたいに衝突したり、それによって積み上げられていく様は爽快である。歌が入るたびに踊るジェイクとエルウッドのダンスはお世辞にも見てくれがカッコいいわけではなく、それどころかかなりコテコテなのだが、そんな事は関係無い、自由に歌って自由に踊る、そんな姿がむしろカッコよく愛らしく見える。設定も展開もかなり無理があってツッコミどころが満載、漫画原作映画『BECK』も仰天のご都合主義なのだがそんな事も関係無い、何物にも縛られない「音楽」の本来の自由をこの映画に見た気がした。とにかく最高〜。
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