ふみあき

ミッドサマーのふみあきのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
2.2
 SNSで随分話題になっていて、結構楽しみにしていた映画。『画面が明るいホラー映画』というのは大変面白い試みであったが、正直に言うとそこ以外に見所があまりない映画であった。
 結果から言うが、何を書きたいのかがわからない映画だった。ホラー映画のくせに、そこまで怖くない。いやめちゃくちゃ怖いけど、主人公たちが終始ラリっているせいか、やけに順応というか、普通なら恐れ慄き泣き叫ぶような状況でもスンとしていて、観客と主人公サイドで恐怖心や不安感のズレが生じてしまう。カルト要素もスリラー要素も同様に凄く中途半端で、怖い要素としては多少のゴア表現だけ。ストーリーも観えている以上の内容は無くて、主人公の成長も無い(むしろ悪化?)。試みは悪くないが、結果が振るわなかったという印象が強い。
 ただ、舞台が北欧だけあって、全体的な色調や小道具等は綺麗で可愛い印象があった。山奥の村という事で、草木や花々といった自然色と小物類のビビットカラー。オーガニックな料理と所々で見られるシンメトリーな配置等、自然と人工物の対比が上手く調律しあっているのが面白い。逆に言えば、そういったところしか自分は楽しめなかった。
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