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家族ゲームのhikarouchのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
3.7
なるほどこりゃヤベえ映画だ(ニヤニヤ)という感じ。

なんか、ザ・80年代って感じがする。子どもの頃に見た昔のとんねるずのコントと似た雰囲気を感じる。

松田優作、顔近いなー。こんな家庭教師来たらイヤだよ。妙にボーイズラブを匂わすような振る舞いも、気になる。

でも本当にイヤなのは、自分たちの戦っている"ゲーム"に微塵の疑いも持たない家族、というか両親なんだよな。学校の成績や偏差値などだけで価値判断をする感じ、その価値観を子どもたちにも当然のように押し付けている感じ。すごいイヤ。(でもこれ当時の社会では、ごく当たり前のことでもあったんじゃないかな。)
だから、あのクライマックスが、笑っちゃうし、妙に胸のすく思いがするんだよね。いやしかし、これ今の時代では絶対にできない演出だよなあ。「この後スタッフがおいしくいただきました」ってわけにもいかんしね。

映像も音響も、クセというか、こだわりが凄い。あの机や壁を透過するカメラアングルも驚くし、急に会話や音楽がミュートになったりするのも、独特だなー。団地や学校という、卑近で現実的な舞台を使いながら、演出が非現実的なので、ものすごい映画っぽく見えてくる。色々とメタファーと思しきアイテムも数多く登場するし、色々と考察を膨らませられそう。

伊丹十三も、すごいなー。チュウチュウももちろんだけど、部屋の中でマフラー巻いてたりとか、こういう自分を常識人と思ってる無自覚な奇人が一番タチ悪いよな。

ラストはこれ、どういうことなんだろう。コーヒーの砂糖に細工をするって中盤のクダリが伏線だったとしたら、何か盛られたってことなのかな?このあたりは、みなさんのレビューを見て勉強させていただこう。
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