morinali

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmorinaliのレビュー・感想・評価

4.0
いざ、206分勝負!と意気込んで臨むも、あっという間に過ぎ去りし時。
無駄なく、緩急見事なテンポの良さ、演出力の賜物!
スコセッシ作品にしては、ディカプリオもデニーロも抑え気味の演技ではあったものの、秘めた狂気や人間の弱さなどよりリアル追及型なのか。圧巻の演技力。
相変わらずの、欲とエゴに苛まれた情けない男性の物語ではあるものの(スコセッシ作品の一貫性ですよね)今作はなんといってもリリー・グラッドストーン。スコセッシ作品で、こんなにも女性の存在感を感じられる作品に出会えるとは!言葉少なながらも、漂う気品が凛として美しかった。

実話ベースということで、鑑賞後原作を。

<原作>
花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生
デイヴィッド・グラン 著

今年一の衝撃作でした。
原作は、オセージ村の殺人事件、捜査、事件解決後の三部構成で基本ミステリードキュメント。(映画はクライムラブストーリーともいえる殺人犯である白人男性視点。)
読み進めるに、オセージ族に対する白人の人種差別意識に虫唾がはしる。そして映画にはない数々の新事実に言葉を失いました。(ここ重要!)
映画製作に協力したオセージ族の方々に、この映画はどう映るのだろうかと思いを馳せたりも。

映画も素晴らしいし、原作も更に素晴らしいので是非両方を体験することをお勧めします。
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