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哀れなるものたちのmorinaliのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1
女性の自由についての物語。
序盤からクスクス笑いっ放しだったのに、終盤自分でも引くくらい泣いた。
総合芸術としての完成度異常。
ヨルゴス作品にしては、鑑賞後の「孤独に己の理性と対峙すべし」感は控えめで観やすい。
(鑑賞後の孤独な時間好きです、私は)

で、続いて原作を。
哀れなるものたち / アラスター・グレイ
早川書房

信頼できない語り手2人による相反する手記。
映画化された物語を完全に否定する人物の後記が続き、そしてそちらの主張にもなにやらきな臭さがあり。とは言えその感覚自体もステレオタイプからのものなのか?という、まさに「孤独に己の理性と対峙すべし。」系譜のヨルゴス感満載で、大層楽しみました。
そして、原作ふまえてもう一度映画を観たいと思っている次第。

なお、ヨルゴス作品のアートディレクターVasilis Marmatakisのデザインは今回も秀逸。
ベラが唯一自分のためではなく、男性のために行った(行なわされた)行為であるメイクアップ。そのメイクパーツに男性キャラが!私、撃沈。
邦題のタイトルフォントもオリジナルに寄せてて素晴らしいなと。(“ロブスター”の日本版ビジュアルはひどかった。)
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