毛玉

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの毛玉のレビュー・感想・評価

4.1
スコセッシ「『ミッドサマー』に感心した」
鑑賞後の私「なるほど…」

アメリカ先住民が住む土地で石油が出た。白人たちはそのオイルマネーを求めて大量にやってきて街を作った。
そんな街に叔父を頼ってやってきたチャーリー。彼は運転手として働く中で魅力的な先住民女性・モリーと出会う。彼女との出会いを叔父に打ち明けると、なにやらきな臭い話が舞い込んでくる…。

『ミッドサマー』に感心したスコセッシが作った映画は3時間超。確かに、『ミッドサマー』にあったような、長さを感じさせないテンポでやってくる展開や、ラストに向けて次第に集約されていく伏線がありました。
しかし、私の率直な感想は、モリー役のリリー・グラッドストーンが色々な意味で魅力的なすぎる、ということです。

もちろん、歴史的な勉強になりましたし、役者陣の演技やスコセッシ印の大人たちの欲望渦巻く人間ドラマは楽しかったです。
しかし、それにしては長すぎた。長くするには、展開が静かすぎた。
ただ、リリー・グラッドストーンの演技は本当に引き込まれるものがありました。思慮深く、知性と色気を同時に感じさせる役所で、目に宿る悲しみがとても心に残りました。彼女は元気な時から衰弱しきる場面まで様々あり、その全てでとても素晴らしい演技だったと思います。(もちろんレオ様も素晴らしかった!)

ストーリーは、正直面白くもないしつまらなくもないという感じです。ただ、3時間の中で1度も「早く終わってくれ」とは思わなかった。不思議です。
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