毛玉

ビッグ・フィッシュの毛玉のレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.3
「俺はお前が生まれた時、立ち会えなかった。金の結婚指輪で大きな魚を釣り上げてたんだ」

嘘から出た誠。どこまでが嘘で、どこからが本当なのか。
謎に包まれた父が、人生をかけて息子に伝えてきた物語に落涙しました。
そのどれもが美しく、夢に溢れていて、父がどれだけ息子のことを愛していたのか、よく伝わりました。
よく、「葬式は人生の通知表」なんて言いますが、そういう意味では、主人公の父親は花丸の通知表を受け取ったことになるでしょう。

父親が語る過去のお話を、ファンタジックかつ、少し悲しく、そしてほんのちょっぴり恐ろしく描写したのは、ティム・バートン。らしさ全開で、それがストーリー性ともマッチしている、とてもバランスのいい作品でした。
父の青年期を演じたユアン・マクレガーの演技も泣かせます。

まごうことなき「いい映画」でした。父と子供の物語、そして人と人とのヒューマンドラマが見たい方には、とてもおすすめできる作品です。
毛玉

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