ふみあき

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのふみあきのレビュー・感想・評価

3.8
 シャロン・テートへのレクイエム的な、まさにエンターテイメントと言わんばかりのハリウッド映画。シャロンテート事件を事前に調べた上でこの映画を見るのをオススメ。落ち目の役者を演じるディカプリオが本当に良い演技で、ディカプリオ自身も老いと共に朽ちる威厳や自尊心に絶望を覚えた日々があったのかもしれないと疑ってしまうほど、画面の中の彼は完璧な『落ち目の中をもがく俳優』だった。ブラピに関しては、演技どうこうより色気が凄まじ過ぎて「一介のスタントマンがこんなカッコよくていいのか?」と、むしろ違和感を覚えてしまった笑。
 あらすじ的に、俳優とそのスタントマンのホモソ的な映画を想像したが、そのようなあからさまな描写は無く、ただし観客には到底知りようもない男同士の友情が、確かにそこに存在すると確信させるような何かを2人の演技から感じられたような気がする。
 【以下ネタバレを含む】
 シャロンテート事件といえば当時でもかなり凄惨で酷たらしい事件である事を踏まえ、ラストに近付くにつれ不安感を募らせたが、タイトルの通りこれは『ハリウッドの御伽噺』、最終的にハリウッドらしくチープな悪役をスタントマンが一蹴し、主演が派手にラストを飾り、思わず笑ってしまうエンターテイメントの様式美のようなハッピーエンドを迎える。
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