ふみあき

オリエント急行殺人事件のふみあきのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
2.7
 アガサ・クリスティー原作という事でクラシックな英国ミステリーを期待したが、ミステリとしても映画としても正直微妙………。
 序盤の映像はとても良くて、小道具や衣装、列車の内装が綺麗でクラシックなミステリと大変相性が良く、下品な煌びやかさを感じさせないオシャレな映像になっていた。
 舞台は当然急行列車の中、更に列車は雪崩で脱線し、暫く身動きが取れないという所謂クローズドサークルのミステリとなっている。こういったクラシックなミステリで重要となってくるのがアリバイ、人物相関図、動機、トリック等々あるが、そのどれもがゴチャゴチャしていて、登場人物(≒容疑者)が多いのもあって、視聴者にはわかりにくいものになっている(少なくともわかりやすく見せようという姿勢は見えなかった)。折角映像作品なのに、証拠や相関、部屋割等を視覚的にわかりやすく見せる演出はして欲しかった。
 途中途中で探偵のポアロが推理をして見せるのだが、それについても物証や証言等、明確な証拠無しに(原作では描かれているのかもしれないが)ズバズバと登場人物の秘密を暴いている様は、非常に当て推量的で見ていて面白い物ではなく、世界一の探偵である説得力をかなり欠いているように思えた。なので、「犯人は○○です」と言われても、「へ〜」ぐらいの反応しかできず、全体的に盛り上がりに欠ける印象を受けてしまった。
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