undo

エゴン・シーレ 死と乙女のundoのレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.7
生と死と美と。

オーストリアの画家、エゴン・シーレの短い生涯を綴った作品。

絵画に疎い私は、この人のことをよく知らなかったんですが、絵は凄いですね。本当の才能を感じます。美術館なんかで本物の「死と乙女」を見たなら、多分1時間以上は飽きずに見続けられるんじゃないでしょうか。

音楽が良い。最近観た映画の中ではダントツに耳に残るテーマ曲(予告編の最初に流れるやつ)。本編でもいきなり流れるので、一瞬予告編が始まったのかと(笑)

肝心の内容は、恐らく、脚色はそんなにされていないんだろうな、という印象。なぜなら、あんまりケレン味を感じないから。
才能豊かで女たらしというよくある芸術家のイメージ。かと思えば、妙に現実的だったりもする、ちょっと捉えどころのない感じ。
人間性がダメでも、才能で全てを帳消しにするのは芸術の世界の常だろうか。

その、脚色されていない雰囲気が、映画としては真摯なアティチュードを感じて好印象。全体の雰囲気も悪くなかった。

早逝(享年28歳)した割に、生前にすでに評価されていたというのも納得。
それほどインパクトのある絵。
皮肉にも、映画よりも絵画の方に心を揺さぶられてしまった。
undo

undo