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カフェ・ソサエティのundoのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
3.8
また逢う日まで。

『LION/ライオン 〜25年目のただいま』を観に行ったら、まさかの満員で入れなくて、代わりに観た映画。レビュー書きをサボっていたので、思い出しながら。

黄金期のハリウッドや、(たしか)ニューヨークを舞台に、男1人と2人のヴェロニカを中心に描かれる、軽妙洒脱なロマンティック・コメディ。
キェシロフスキは関係ないのね。

軽妙すぎて、物語が右から左に抜けていくような錯覚にとらわれながらも、なにかが引っ掛かる。
我が身に起きれば笑えないようなシチュエーションでも、一歩スクリーンの外側から覗けば、それは娯楽にすぎない。そんな背徳感のさじ加減が絶妙。

華やかなりし社交界の光と影の中、選びとった未来と選ばなかった未来が交錯する。
その時々の気持ちの持ちようで、現実はすぐに姿を変える。何が幸せなのかを決めるのは、生きている間でなくても良いのかもしれない。
そんな悟りにも似た境地に、ウディ・アレンはいるのだろうか。

そう、正解などない問いの答えは、いつの世も風に吹かれている。
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