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美女と野獣のundoのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
3.8
親しみを伝えること。

普段ディズニーはほとんど観ないんですが、どんなもんかなとIMAX3Dで鑑賞。
ちなみに、1991年版は未鑑賞。

良い意味でも悪い意味でも予想通り。ディズニーですなあ。
私の場合、映画に期待しているのは満足度(≒衝撃度)なので、予想通りな出来の場合、あんまりスコアが伸びないんですが、一級の娯楽作品であることは間違いないと思います。

最新技術の粋をつくした、幻想的なビジュアルはさすが。自分も物語の中にいるようで、こういうのは本当に凄い。
間の取り方、演出などコンマ単位まで計算しつくされている感があり、想像の余地が入り込むところがほとんどないのは、技術であり手法であって良いとか悪いということではないだろう。好みの問題。
作品世界に没頭させてテーマを伝えるという意味ではとてもパワフル。

我が家には、20年くらい前に買ってもらった『美女と野獣』英語版の絵本(ディズニーストアなんかで売ってるやつ)がある。これがディズニー版の原作的な位置づけと言っていいのかどうか自信がないけど、本作におけるベルの衣装や他のキャラクター達の造形など、完コピに近い。

エマ・ワトソンのヒロイン感は本当に見事だし、CGで描かれる他のファニーなキャラクター達も素晴らしい出来なのだけど、絵本に描かれているような柔らかさ(みんな本当に優しい顔をしている)がもう少し欲しいところ。これも好みの問題。

内容については皆さんご存知の通り、シンプルだけど深く考えさせられるもの。
人の外見にとらわれずに、その人の本質を理解することの大切さ。
これは恋愛に限らず、すべての人間関係にあてはまること。
だけど、わかっていてもなかなかできないことでもある。だからこそ物語が成立する。

好きなシーンはベルが野獣のそばに寄っていって、スープを飲むシーン。地味だけど、親しみをもって垣根を取り払おうとすることを明確に表した重要なシーンだと思う。
ちなみに、絵本の表紙もこの場面。
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