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ラビング 愛という名前のふたりのundoのレビュー・感想・評価

3.7
ブレない2人と未成熟の世界。

邦題が昼メロっぽいですが、実話ベースの作品。
人種を越えた、揺るがぬ愛の物語。

地味だけど力強い良作。
1950年代のアメリカ、人種間結婚が違法だった時代(州によって違う)。
白人男性と黒人女性のラビング夫妻が逮捕され、州外退去させられてしまった。2人はやむなくワシントンへ移住するが…。

アメリカは変な法律多いですよね。禁酒法とか。
ちなみにラスベガスは現在でも自動車運転が違法で、警察も含めた全員が無視しているのでそのままになっているとか。

それはさておき、主役の2人が本作のすべてといっても良いくらい素晴らしい。
夫ラビングはジョエル・エドガートン。この人は『ザ・ギフト』しか観てないんですが、無口な男が似合う。不器用だけど、ブレない芯の強さが全身から滲み出る。
妻ラビングはルース・ネッガ。どことなく原節子さんを彷彿とさせる上品な美人。これは守りたくなる。

ストーリーは史実に基づいていて至ってシンプル。それよりも、人間の基本的な権利を取り戻すために闘う姿を目に焼き付けるべきだろう。

世界を成熟させるのは、ブレない人間の意思なのかもしれない。
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