つるみん

神様メールのつるみんのレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
3.5
【女神が微笑む】

非日常的であり幻想的な世界観に不思議な感覚を味わえる作品となっていました。ブラックジョークも含めたファンタジックなコメディ映画です。ただ歴史的観点から見ると非常に理にかなった作品とも言えます。

邦題は〝神様メール〟
日本人を引き付けるには十分な題名だと思います。可愛さもあり予告編で見る限り非常に素晴らしい題名です。しかし内容と照らし合わせるとこの邦題は少々問題が…。本作は神様がメールを送ること自体が主題ではありません。原題の〝新しい新約聖書〟が表しているように主人公の女の子が新しい新約聖書を創り上げる寓話なのです。

先に述べたように歴史的観点から見ると非常に理にかなっていました。

父親:旧約聖書
長男:新約聖書
長女:新・新約聖書 ←主人公。

といった様にそれぞれ役割が分かれています。父親は暴力的であり人の不幸を喜ぶ所から裁きの神。一方、子供側の新約聖書は許しの神と言われています。その新約聖書を継承する形で主人公の女の子(長女)は新しい新約聖書、いわば神様と人々とのルールを作るのです。
チャプターで構成されてはないのですが前半に〝出エジプト〟など世界史ワードが出てきます。世界史と宗教の知識がないと全てを理解するにはかなり難しい作品となっていました。
さらにブラックジョークが飛び交い僕も含め、他の観賞客の方々も失笑といった感じがありました。(JCネタは最高でした)

といった感じで日本人では理解し難い作品となっているのは事実です。しかし視覚や聴覚といった観点から見ると非常に楽しい映画です。フランス映画って絵本が動いているような不思議な映画ですよね。
つるみん

つるみん