つるみん

シンドラーのリストのつるみんのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.0
〝オスカー・シンドラー〟
彼は私財を投げ打って1200人ものユダヤ人を救った実在の人物。
だが彼は最初からヒーローではなかった。

彼の経営する工場が閉鎖してしまう危機に陥った時、ユダヤ人を労働者として雇う。言わば金儲けの為であり、あくまで彼自身経営者目線での策略でもあったのだ。

しかし毎日当たり前のように人の命が失われていくのを目の当たりにし彼は〝死〟について考えるようになった。死がありふれた日常の出来事として無造作に足元にころがっている生活。妻と幸せな時間を過ごしていたとしても日が昇れば何も変わらない経営難と響く銃声。
それでも必死に生きて自分のために一生懸命働いてくれるユダヤ人に心を動かされたのだ。

救済が必要なのはお互い様であった。

ユダヤ人たちの境遇への同情はいくらでもできるが、実際無力のまま終わる。しかしシンドラーには金がある。彼はその使い道を正しい方向に向けたのだ。



言わずと知れた名作ですよね。
スピルバーグを〝巨匠〟にさせた作品としても有名です。スピルバーグ自身ユダヤ系アメリカ人であり、本作品の思い入れは計り知れないものがあったのでしょう。その証拠として彼は監督料を一切受け取らなかったという話も出ています。
終始モノクロの映像がリアルさを生み、コートを着た女の子だけを赤で着色。それだけで非常に印象強いシーンになります。


〜おまけ〜
この重い題材を撮る事になったスピルバーグは連日悲惨なシーンを撮り続けるため精神的に病んでしまいました。そんな時、彼はある友人に電話をかけました…。

その友人とは?

そう、ロビン・ウィリアムズです。
電話は2度したそうで簡単な会話の中でロビンは沢山の笑いや癒しをスピルバーグに分け与えたそうですね。
つるみん

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