つるみん

教授のおかしな妄想殺人のつるみんのレビュー・感想・評価

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)
3.7
【おもちゃ箱】

数々の名作を残してきたウディアレン最新作。彼の作品は〝男女の感情が詰まったおもちゃ箱〟のような映画だと思っています。次々に繰り出される男女の異なる感情。芸術界を知り尽くした彼だからこそ描ける作品なのでしょう。

人生とは何のためにあるのか。生きる意味を失った哲学教授エイブ。そんな彼に惹かれる生徒ジル。教授と生徒という禁断の恋愛が面白おかしく描かれていた作品。


哲学的でありながら非常に分かりやすい映画となっていました。ウディアレンらしい映画と言って良いでしょう。
ここで「ウディ・アレンらしさ」とは何なのでしょうか。もちろんお洒落で不思議な雰囲気を堪能できると言ってしまえば終わりなのですが…。

僕から見たウディ・アレン作品は、
絵本より小説。小説のジャンルは恋愛小説と官能小説の間であり、少々哲学チックな部分もある。色がお洒落という方もいますね。僕も同意見です。しかし名作〝マンハッタン〟などを観賞すると彼に〝色彩〟というフェイクは要らないと分かります。

本作品はその「ウディ・アレンらしさ」が存分に発揮されていました。意外と新しい面も見れて満足です。

キャスト面を述べるならば主人公のホアキン・フェニックスよりエマ・ストーンの方が遥かに存在感がありました。非常に可愛らしいですよ!

是非、劇場でウディ・アレンの不思議な世界を堪能して下さい。
つるみん

つるみん