ちょげみ

ラ・ラ・ランドのちょげみのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
 カフェでバイト生活を送りながら女優になる夢を追いかけているエマ、日雇い(?)のピアノの仕事を受けてなんとか生計を立てながらジャズのお店を開くことを夢見ている根無し草ライアン、偶然の出会いが数回続き二人の運命は交錯する。順調に夢へと邁進して行くかのように思われた彼らだが、いつしか夢への軌道はずれ始めそれに応じて彼らの中にも軋轢が生まれ始める...

どこか夢見がちなロマンチストで将来の計画もどこか地に足ついていない感じを思わせるライアン、オーディションに落ち続けパーティにも乗り気ではないことからどこか寂しげで諦念を漂わせたリアリストに見えるエマ、彼らは共に長い時間を過ごしているにつれて互いの言動や価値観、考え方に影響を受けるようになる。
ある日ライアンが大衆に迎合されるピアニストになろうとしていることを糾弾するエマ。ライアンはエマの昔の言動を今の自分を正当化するために使い、彼らは破局の危機を迎える。
しかしなんやかんやあってライアンのポジティブで底抜けに明るい考え方はエマを成功に、エマの現実的な考え方はライアンを成功に導く。だが5年後、そこには昔の仲睦まじい二人の姿はない。ライアンのあり得たかもしれない世界を想像しながらピアノを弾く横顔はどこか切なく、悲しかった。

 この映画は冒頭のシーンから強く引き込まれる。音楽に関してはまったくの門外漢だが印象に残り効果的に使われている曲が多く、なかなかいいものだなぁ、と思った。

「全員が作曲家でありアレンジャーであり、独自の解釈で新しい音楽を作り上げる」
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