作り手の、音楽大好き、ってのが滲み出て溢れ出て、届いた。
オリジナル曲もさることながら、途中で使われる挿入歌のどれもが素敵。
ヘッドホンふたまたに分けるやつという、たまらん演出、ずるい。
セリフの多い作品ながらも、大事なところはそういう小道具とか、役者の表情や仕草とか、音楽とか、セリフ以外のものに語らせる、上品な演出。
いい加減なようにみえるおっさんプロデューサーも(まあ実際相当いい加減だけど。というか窓からCDポイ捨てすんなばか)、家族や娘、友人への態度は一貫していて、実は芯が通っている。主人公との出会いをキッカケにして、それがうまく回り出すという仕掛けなので、最後の結末にいたる流れも違和感がなく、自然と受け入れられる。
キーラナイトレイの演技も、恐ろしい。とくにあの元カレとのやりとりのところの表情、態度。男からすると、それどういう意味だ、、、ほんとはなに考えてるんだ、、、、って頭抱えて床を転げ回るやつ。一度吹っ切れた女性の強さを見事に体現していた。
他のキャストもみんな素晴らしく、親友役のJames Corden、おっさんの娘(ピッチパーフェクトのあの子)、バンドのメンバーなど、みんな愛おしくなるキャラクターばかりだった。
とても幸せな、でもイージーではない、オトナな映画でした。最高です。
