mamiKO

チョコレートドーナツのmamiKOのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5
かなり久しぶりに鑑賞。
いい映画だった事は覚えていたが細部を覚えていなかったのでもう一度観たかった。観て良かった。
とても心が震えた。

映画好きのとある人に「チョコレートドーナツは観た?」と聞いたら、「観たよ、でも好きじゃない。美しくないし、ただの誘拐。」と言われ、何故か少し傷付いた。
どの映画を観るのか人によって違う様に、どの様に感じるかは人それぞれ。
当然の様に良かったという感想を話せると思っていた自分は、傲慢なのだと思った。
かなり昔20年くらい前、バイ・セクシャルの友人に、付き合おうと言われたことがある。
私は恋愛対象が男性だけだ、と話したら、彼女は、あなたはバイ・セクシャルだよ、まだ本気で好きになれる同性に出会えていないだけだ、と言った。
自分がバイだから、分かる、と。
それがすごく引っかかってしばらく悩んだ。悩むというか、自分の本当が知りたくて、同性愛の映画のフェスに参加してみたりした。その際に分かったことは、おそらく私はノーマルだ、という事。
ゲイの作品は観れるのに、レズビアンの作品は、観ていたら気分が悪くなってしまったのだ。
その時私は自分は偽善者だ、ゲイは他人事と思ってるから観れるんだ、と理解者ぶっているんだ、とかなり自分を追い込んだ。
今思えば、単に自分に置き換えて観すぎだったのだと思う。
理解をする事と、自分も同じ(考えである)と思う事は、全く違う。私はまだ若かった。ただ、理解をすれば良かっただけだったのに。
今は、女性の同性愛についての映画も、観れるし、考えられるし、色々感想も持てる。

単純に、愛せる人が、愛せる人を、愛する。
抱きしめて欲しい人が、抱きしめることができる人に、抱きしめられる。
その事は、なんて尊い事だろうか。

同性愛でなくても、結ばれない事もある。
今も、親に愛されずに辛い思いをしている子どもたちがいる。

彼らはラッキーだったのだ。
巡り会えて。幸せになれるはずだった。
それを偏見が、めちゃくちゃにした。

この手の映画(育児放棄や虐待された子を保護してたら誘拐みたいな話)を観る度思うのだけど、本当に早く、システムを整えないと、どんどん子どもたちが犠牲になる。
親に育児放棄された動物や、飼い主に捨てられた動物を保護していたら、讃えられるのに。
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