みんと

イカリエ-XB1のみんとのレビュー・感想・評価

イカリエ-XB1(1963年製作の映画)
4.3
素晴らしい!コレは好き!
ずるずる鑑賞を先延ばしした事が悔やまれる傑作だった。

宇宙ものって、ついロマンとかワクワク感を期待するのだけれど、今作に関しては何だか現実的とも思えた。人類の移住先を求める旅、もしくは宇宙旅行のようなテンションを感じる。だだっ広いスポーツジムとかダンスパーティとか、日常をそのまま宇宙船に移したかの錯覚すら。
ただ、一方では未知の恐怖とか、得体の知れないムズムズ感もしっかり感じられる。難破船に積まれてたのが核兵器なんて、今の頭で考えると余計に穏やかじゃない。

60年前の作品とは思えないし、明らかに後のあれこれSF大作に影響を与えたであろう事は一目瞭然。

なんと言っても、宇宙ものを鑑賞してる事を忘れるヌーヴェルヴァーグ感とかスタイリッシュさ、無機質な中にしっかりとしたヒューマンストーリーも盛り込むバランスの良さ。今となってはスペック低めなへんてこロボットさえ何故か違和感を感じないと言う…笑

「地球は消えた!消えてしまったんだ!」で始まりぐっと心を鷲掴みされ、あっという間に引き込まれのめり込んで観てしまう、コレが共産主義下のチェコで作られたと言うだけでも観る価値のある作品だった。


取り敢えず『2001年宇宙の旅』を再鑑賞しようかな…
みんと

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