Solidarity

未来を生きる君たちへのSolidarityのレビュー・感想・評価

未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)
5.0
クリスチャンは父親に言った。「初めが大切なんだ」と。この映画の全てがここから始まる。まだ子どもだからきちんと説明しなくてもいいと考える大人はいじめっ子と何ら変わらない。だから復讐の対象になる。相手に自分の存在を認めさせるには復讐するしかない。
クリスチャンはいじめられているエリアスを身を挺して守る。それは死ぬ覚悟が出来ているからだ。
父親が大好きなエリアスは次第に父親の無抵抗主義に疑念を抱くようになる。
エリアスの父アントンは相手に自分を殴らせて子どもたちに無抵抗主義の意義を分からせようとするが子どもたちは納得しない。それはアントン自身にボーダーラインがあり迷いがあるからだ。
納得のいかないクリスチャンはエリアスの父親を殴った相手に復讐するが自分のした愚かさをエリアスが取ったとっさの行動に胸を打たれて改心する。死ぬ覚悟のないシリアスが身を挺して人の命を救ったからだ。自分にはできなかったシリアスの自己犠牲はクリスチャンの頑な復讐の心に風穴を開けた。
父親から母の死についてきちんと説明を受けたクリスチャンは母の死を受け入れ父親の腕の中で大粒の涙を流した。今まで胸にしまいこんでいた悲しみを思いっきり吐き出すように。
今頃はきっと命の危機を脱したシリアスと本物の親友になって仲良く学校に通っていることだろう。
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