演技に演出に画面作り、どれを取っても一級品なファスビンダーの才気がこれでもかと煥発した、謂わばファスビンダー版市民ケーンみたいな作品。
同性愛描写の癖がちょっと強いこと以外欠点らしいところが見当た…
お世辞にも決して演技が上手いとは言えないファスビンダーが演じるひたすら搾取され続けるナイーブ男の破滅までをじっくりと辿っていく映画。
主人公同様に映画のつくりそのものにかなりの不器用さを感じた。映…
ファスビンダー監督の主演作で俳優としての代表作。「不安は魂を食いつくす」(1974)の翌年の作品。貧しく気が弱いゲイの男がロトで儲けた大金を手にブルジョアのゲイ社交界にデビューするが、結局は惚れた男…
>>続きを読む【一言で言うと】
「無知の“高望み”」
[あらすじ]
気の弱い労働者階級のホモの青年フランツは、偶然宝くじで大金を手にし、友人の紹介でブルジョワたちのゲイ・サークルに出入りする。そこで知り合った実…
ファスビンダーで好きな3本だと「不安と魂」「ベルリンアレクサンダー広場」とこの「自由の代償」。久しぶりに再見。自身のゲイ性のテーマを公に取り入れて自ら主演する映画にも関わらず、性的マイノリティである…
>>続きを読むファスビンダー演じる幸薄いゲイが金持ち野郎に根こそぎ搾取される顛末を描いたメロドラマ。かなりドス黒い内容なので笑うに笑えない。
数あるLGBT映画の中でも一際、アクの強い作風でカラフルな映像美とは…