帰れない二人
事故死で一度は天国へ行ったものの、気のいい死神を騙して地上へ舞い戻る少女の姿を描いたファンタジードラマ。
突飛な設定でしかも普段はどちらかと言うと苦手な部類に入るファンタジーものでも相米監督に手にかかれば何故か観られてしまう不思議。
本作でも例によって自由に動き回る長回しやロングショットで撮られており、徹底して飽きさせない画作りに終始している。
偶然の産物か演技指導の賜か分からないが、牧瀬里穂の抑揚の無い独特なテンションが作品の世界観と妙にマッチしていて、これも監督のマジックならば見事という他ない。