ローマ貧困層の元娼婦のままならない人生の悲哀を描いたパゾリーニの初期作。
ソドムの市と同じ監督とは思えないくらい見易い作品ではあったものの、どうしても受け入れ難い部分があった。
息子を思う気持ちも下級階層から抜け出して貧困の連鎖を止めたいのももちろん理解できるのだが、息子への干渉と束縛の強さにはどうしても辟易してしまう。
親はあくまで子供の保護者でしかなく子供は決して親の所有物などではない。
よく親の心子知らずとは言うけど子の心親知らずでもある。
宗教的な意味合いもあるのか分からないが、そういった所が足を引っ張ってしまいラストもあまり響かなかった。