義清

青春群像の義清のレビュー・感想・評価

青春群像(1953年製作の映画)
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これと言った事件と言ったら、最後にサンドラが行方不明になることくらいで、あとは全編、ダラダラと青年たちが日常を無為に過ごしてるというだけの話。フェリーニをみると人生を考えさせられるなんてリュードミラが言ってたけど、こんなものか、って拍子抜けしかけてたところだった。でも、LDのケースにあった解説を読んで、なんかわかった気がした。アフリカとか、ブラジルとか、なんだかんだ外国に行くことなどを口に出す割にはそれについて具体的な努力もしていない。イタリア語の原題『I VITELLONI』は日本語でいうところのろくでなしとかいう意味なのだとか。あいつらの姿は、まさにそのまま今の自分に重なることに気づいた。そこまでフェリーニが計算済みなのだといたら、やはり天才という他はない。この映画をみて、トトは何を思ったのだろう。
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