義清

コズモポリスの義清のレビュー・感想・評価

コズモポリス(2012年製作の映画)
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オープニングクレジットの背景は、絵の具を筆にべっとりつけたのを軽いタッチですうっと紙にこすりつけたような線を3色分重ねていくというアニメーション。『危険なメソッド』のそれが史実に基づいた物語の始まりを表現していたのなら、これは混沌とした捉えどころのない物語の始まりを表現したのか。
シーンの多くはリムジンの中に設定されていた。若き投資家はリムジンの中で為替の変動を捉え、本社に指示を送り、焼身自殺の意義の定義や、通貨がネズミだったらなどといった哲学めいた議論を交わし、敬愛するスターの死を知り、通りを眺めては富豪の令嬢である新婚の妻を目ざとくみつけて声を掛ける。
リムジンの内壁にコルクを張ったり、毎日医師が検診に訪ねてきたりするような生活を送ることの意義は何か。
妻は半地下の本屋の静寂を好むのに対し、彼は都会の喧騒をエネルギーにすると言う。
しかし、リムジンの中は都会の喧騒とは全くの異次元。市民のデモは彼のリムジンにスプレーを塗りたくり、車体を揺する。ある男は彼の顔にパイを投げつける。挙げ句の果てに暗殺者現る。彼の会社の元社員でもあるその暗殺者は
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