戦後すぐの銀座の風景を鑑賞できること自体貴重だし、そんな銀座で暮らす人たちのうらぶれた生活描写はまさに成瀬監督でしかない味わいがある。
でもお話が地味すぎて今一つ印象に残りづらいし、あと田中絹代と…
このレビューはネタバレを含みます
「体当たりでいくわよ。何もかも捧げて。大丈夫よ、そのぐらいの決心がなくちゃ、ほんとうの幸福は掴めないわよ」
「銀座だって、目に見える銀座という星の裏に、目に見えないちっぽけな星がいっぱい隠されてい…
春が来たって歌を最後に子どもが歌い、田中絹代が仕事に向かうのって結構鬼展開。行方不明の子どもが魚持って戻ってきたときの田中絹代の暗黒なショットとロマンチックなぼうやと香川京子の旅館での白飛びするほど…
>>続きを読む戦後間もない東京は銀座の風景に当時の昼と夜の顔が刻まれている。田中絹代は堀雄二に微かな期待を込めたが、タイミングが味方をしなかった。あれは決して香川京子が横取りした訳ではなく、単純に田中絹代が自ら身…
>>続きを読む「終戦」は45年であるから、その5年後である。闇市が蔓延っていたのは、束の間であったのであろう。一様は、「戦後復興」が終わったかの感さえある。特需景気を促す朝鮮戦争が同じ50年に勃発する。日本の、…
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