前半で航海から事故に至るまでの流れは淡々としているが様々なトラブルが静かに積み重なっていく過程を丁寧に追っており、それらが爆発して船が沈没していく後半の地獄は特撮の迫力も相まってその迫力に圧倒されっぱなしであった。特に後半、ボートに乗った人たちが満員状態になるとそれでも乗ろうとする人々を海へと叩き落とす描写を手を抜かずやっているので人員分ボートをつけなかったことで起こる問題をストレートに突きつけられてやりきれなくなる。
陸の上に原寸大のタイタニックを作り上げての撮影は凄いの一言で、船の甲板で逃げるお客さんたちをワンカットで撮影する映像は原寸大だからこそ可能だと言える。そしてそんなタイタニックの撮影に本当に船に乗っていた人たちがアドバイスをしているので役者の動作や演技が凄いリアル。
最初は物が落ちるところからはじまり、徐々に物や人が自然に動いていくことで船が傾いていることを自然と伝える丁寧な演出も◎。
でもそんなスペクタクルな作風なのに終わり方がクールなのがイギリス映画らしい。
本物のタイタニックを目撃したプロデューサーやタイタニックに興味を持ち学生時代から調査をしていた原作者にインタビューしたメイキングも見ごたえ充分。
