「精神を病んでいる男の虚実が入り混じるスリラー」というとケレン味があるように聞こえるけど、実際には純文学的。
キャラクターの内面の掘り下げという点においては、やっぱりどうしても映画より小説のほうに軍…
【運動の停滞は人生の停滞】
デヴィッド・クローネンバーグの作品はたいてい観ているのだが、この作品だけ抜けていたので今回観てみることにした。クローネンバーグらしいテーマの作品であった。
列車が駅に到…
ハマることが出来ずに退屈。シームレスな回想に於いて少年時代の過去(妄想)に現在のレイフファインズが同じ空間に存在して傍観することで精神疾患による差異と答え合わせが顕に感じられる流れは地味ながら惹き付…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
ラストのウィルキンソン夫人のセリフ。
「あなたは一体何をしたの?」
に尽きる映画。
統合失調症であるスパイダーに見えている(いた)ものは一体なんなのか。過去と現在が同時にそこに在り、信用できない…
統合失調症を患った男が、自らの日記を紐解きながら暗い過去を思い返していく物語。さすがクローネンバーグ監督らしい重苦しい雰囲気に包まれっ放しの作品でした。設定が設定だけに早い段階で薄っすらとオチに気付…
>>続きを読むこの映画が作られてもう20年近くたつんですね。劇場公開された時にはあまり面白くなくて、その後一回レンタルで観返した記憶があるのですが、それ以来多分3回目です。
もっと面白くなくなっていて驚きました。…
靴下をクラッチバッグ代わりに使う不思議な男が精神病院を退院し、故郷に戻る。リハビリセンターのような施設で過ごしながら、幼少期の思い出を辿っていく物語だが、果たして彼の記憶は信じてもよいものなのか?
…
「人は見たいと思う現実しか見ない」とは、かのユリウス・カエサルの言葉とされる。
今作は記憶にまつわる映画、中でもその曖昧さ、実体のなさに迫り、体感することを実現した映画だ。ある男のごく個人的で狭い世…