重層化した差別と連鎖する苦しみ
社会派映画監督の熊井啓による戦後の日本社会の差別をまざまざと描き出した社会派ドラマ
鬱映画特集
ランク B++
前々から気になっていた作品。あらすじを読んでい…
本作は、井上光晴が原作で、1970年の127分の白黒映画。扱われている問題は多岐にわたるが、これが無理なく2時間にまとめられている点も優れている。単なる社会問題提起という作品ではなく、ストーリーは現…
>>続きを読む重い作品だった。
被爆者、被差別部落、基地問題、在日朝鮮人…これでもかというほどの根深い問題の数々。しかし、これが現実だ。そして、半世紀経った現在でも、偏見、差別という問題の根本は変わっていない。
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"全身小説家"井上光晴の同名小説を原作として製作された、戦後の佐世保を舞台に、異なる差別を受ける二つの集落間で繰り広げられる怨念と憎悪の応酬劇。
「差別はいけないことです、絶対にやってはいけません…
ニワトリに食らいつき、生きながら焼かれるネズミの群れ。集団でつかつかと歩くシスター達。暗闇から延々と投げられる石のつぶて。被爆者差別と部落差別。差別されるもの同士の憎しみ。この世の地獄を描く重く暗い…
>>続きを読む無数の鼠は一羽の鶏を食い殺し、やがて炎に焼かれて殺される。鼠が日本人なら炎は原爆だろう。そして鶏は。被爆者差別、民族差別、部落差別が重なり合う脚本は巧みだけどちょっとややこしかった。鈴木瑞穂と麦人は…
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