菩薩

乾いた人生の菩薩のレビュー・感想・評価

乾いた人生(1963年製作の映画)
3.5
既にナミブ砂漠ばりに乾いた人生、いや余生を生きる身としてなんとなく観なくてはと謎の使命感に駆られ行ってみたところ、見事にイッヌを巡る最悪なくだりのせいでメンタルが完全に崩壊した。生まれた時点で詰んでる感が漂う過酷な大地、家畜の痩せ具合を見ればいかにこの土地が瘦せ細り乾き切っているかが分かるが、その地で繰り広げられる醜き人間の弱肉強食社会。某屋根の下の某あんちゃんであればそこに愛はあるのかい?心にダムはあるのかい?と言いそうなところだが、灌漑も未発達の絶望的な環境を支配するのは当たり前に理不尽な暴力のみである。そんな世界を歩いて歩いてようやく辿り着いた新天地でも変わらぬ状況、家族はまた歩いて歩いて旅に出るがおそらくこの負のループからは抜けられない。精神と時の部屋ばりに質素で口の水分全部持っていかれそうな食糧事情、衣食足りて礼節を知るとはよく言ったもので何も足りないこの世界では汚ない者だけが生きていく…。もう本当に…死にたい。とりあえず前席のアテネまで来て上映中スマホいじり倒してたクソガキは二度と映画館で映画観ようなんて思わないで欲しい。ねぇ母さん、地獄ってなに?…って君が今生きている世界だよ。
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