菩薩

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへの菩薩のレビュー・感想・評価

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小森はるか自身の個性が遺憾なく発揮されているかと言えば確かにそうは言い難いのかもしれないが、伴奏者達の伴走者となる事で自身をこの活動の中に組み込んでいくのが目的であったとしたらこれは大成功だと思う。個人的にどうしても思い出してしまう存在と言うのがいて、そのお婆ちゃんがコロナを機に以前の職場を畳んだ際に最後だからと言って同じ様に団地の一室で腕によりをかけて振る舞ってくれた天麩羅と、飲んでみと言われて差し出された地球上で1番苦い自家製センブリ茶の味を思い出しながら会いたくて会いたくて泣いてしまった。震災により断絶してしまったコミニュニティを再度豊かに結びつける為の歌、その歌に紐づいた記憶はいつまでも力強く残る。今の時代こうして歌い継がれていく曲が果たして存在するのか…とも思うが、コロナ以前のユートピア的光景として深く刻まれた。仏壇に南無南無するちびっ子、最強過ぎる。
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