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カオス・シチリア物語
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『カオス・シチリア物語』に投稿された感想・評価

鈴の音が呼び起こす、四つの寓話。
憧憬と郷愁に満ちた、オムニバス形式の作品である。
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ。
劇作家ルイジ・ピランデルロの編んだ、未完の短編集『一年間の物語』より。
劇伴まで含め、総合芸術として随一の作品である。

恒例となってしまった、クリぼっ…、─いや、止めておこう、口に出した途端、泣いてしまいそうだ─、…の鑑賞にセレクトした作品である。

本編は四つの戯曲に、序章・終章を加えた、全六部の構成となる。
各部の詳細に就いては他のレビュアー様へ譲るが、全編に通底するのはシチリアの風土、人々への愛情であろうか。
貧困と因襲に揉まれ、それでも情念深く「その中でも出来ること」を試行錯誤しながら生きる人々の姿が、活き活きと描き出されている。

類型的には、プロローグ及び回想録となる哀切に満ちた第二話以外は、全て上記「貧困や因襲と云った、窮状の中でも出来ること」が、プロットの中心に置かれている。
因襲に阻まれた恋、窮状を打開する知恵、封建制からの脱却の為の団結。
其れに何と言ってもエピローグの、亡命と云う危機的状況の最中にも在る、解放感─。
皆一様に、何かを制限されている渦中にも関わらず、其の精神は鳥の様に自由である。
我々は本作に於いて、知恵を絞り、工夫を凝らしながら窮状を打開し、「己の愉しみ」へと変性させようとする、そんなシチリア人の強かさを目撃する。
鑑賞後の爽やかな余韻は、其処から醸成された物であろう。

クリぼっ─、もとい、現在進行形で私を取り巻くシングル・クリスマスも、『ジングルベルならぬ“シングルベル”じゃないか』と云ったツッコミは無しにして、一つの「窮状」ではあろう。
“シチリアの人々よ、我に力を─。その陽キャ振りを分け与えて呉れぃ。”
そんな羨望に似た感情が溢れ出て仕舞う、今夕である。
RIO

RIOの感想・評価

4.3
シリチアの人々の歴史と生活をプロローグから終章まで全5扁にわたるオムニバス
最終章に向かっていくにつれて映像に微睡むような美しさに胸がいっぱいになる

I. L'ALTRO FIGLIO もう1人の息子

村からアメリカへ移民として14年前に出てったきりの息子に手紙を届けても返事は来ない
哀しみから嘘ばかりで覆う母親のマラグラーツァが重い口を開いて語るガリバルディがシチリアを解放したことで起こった悲劇
行方不明となった夫の首がボールとなって転がされていた
母親のために用意されたかぼちゃは地面に叩きつけられ悲しげに転がる
乗り越えたいけど傷が深い悲しくも力強い物語

Ⅱ. MAL DI LUMA 月の病い

月の角がとれた夜 バタは豹変する

月に魅入られたバタと従兄のサロに魅入られたシードラを雲間の満月が見ている


ギリシャ遺跡を越えオリーブの実る大地
物語から次の物語の舞台へと烏が大空を飛んでいく
シチリアの人々の心と音楽が大空に描かれる

ダヴィアーニ兄弟作品は「サン・ロレンツォの夜」「グッドモーニング・バビロン ! 」でも素晴らしい映像だった
特にⅣ.Ⅴ.が言葉出ないです

Ⅲ. LA GIARA 甕

大地主のドン・ロロは豊作のオリーブ油を入れる大きな甕を作らせた
鐘のように鳴り響く甕が何者かに真っ二つに割られていた
甕職人のディーマは背中にコブがある
甕が直って良かったもののコブのために甕の外に出れなくなった

大地主と職人の知恵比べ根比べの寓話のようです
コメディみたいなやり取りは一生やってて欲しい
働き詰めで何年も月夜に歌うこともなかった小作人たちの夜はとても美しい

Ⅳ. REQUIEM レクイエム
Ⅴ. COLLOQUIO CON LA MADRE 母との対話

V. エピローグ
寓話として登場していたかのサロがピランデッロを原点に連れていく
馬車に乗っていくとこがまた感動的な美

全編を風の流れるように響く音楽はニコラ・ピオヴァーニ

閉めきっていた扉を開けると大きく実ったレモンの実が寄りかかる
レースの窓から海へ通り抜けシチリアの物語は全てが1篇の詩となる
mimicot

mimicotの感想・評価

5.0
映画館で観て以来ずっと忘れられなかった作品。もう一度会いたいのに会えないみたいに想いが募って、やっと再び出会えたこの感動。やっぱり素晴らしい!!

タヴィアーニ兄弟監督作品
原作はノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの短編集「1年間の物語」

舞台は混沌という意味を持つシチリアにあるカオス村。高地に石造りの家が並ぶ、異国情緒豊かな風景がとっても美しい。

プロローグで「ムジカ!」(音楽)と鈴をつけた烏が放たれて、シチリアの空を鈴を鳴らして羽ばたく。なんて素敵なの!ここでもう心を奪われる。
そして、まるで烏が一部始終を見ていたかのように、五つの話を案内します。

「もう一人の息子」
移民の話
お母さんの気持ちも...わかる
彼が、たったひとりの息子なら
よかったのかもしれない

「月の病」
満月の夜は幻想的
夜空に苦しみ喘ぐように
揺れる木の描写が美しい
本当に恐ろしいのは
妻のほう

「甕(かめ)」
ちょっとお馬鹿さんなニカワ職人と
ケチな地主
ふたりの知恵比べが笑える

「レクイエム」
お墓の話
いくらそこで永久に
眠りたいからって
そこで待つのは
あまりにシュールすぎ

「エピローグ」母との対話
真っ白な砂の斜面を
コバルトブルーの海へ
羽ばたくように駆け降りる
この世のものとは思えない
最高に美しいシーン

村の風土と結びついた寓話的な物語。
想像の翼が無限に広がるタヴィアーニ兄弟の感性の煌めきの素晴らしさ。圧倒的な映像美と物語の芸術性の高さ。はぁぁ〜(感動のため息)
自分にとって宝物のような作品です。

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