Jun潤

不死身ラヴァーズのJun潤のレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
3.4
2024.05.11

松居大悟監督作品。

長谷部りのは、7歳にして病気で生死の境を彷徨っていた。
そんな彼女の手をとる少年、甲野じゅん。
夜が明けるとそれまでの病状が嘘のように病院を駆け回るりの。
りのはその後も甲野くんとの再会を夢見て走り続けた。
高校生になったりのは校門で甲野くんと再会を果たす。
陸上部の甲野くんと距離を縮めるためにマネージャーとなり、想いを伝えるが、次の瞬間甲野くんはりのの目の前から姿を消す。
その後も、軽音部や車椅子、未亡人のクリーニング店店長など様々な姿の甲野くんと出会うも、好き同士になった途端、甲野くんはりのの目の前から姿を消してしまう。
そして、大学で再び甲野くんと出会うも、彼は前向性健忘でりののことを次の日には忘れてしまう存在になっていた。

ふむふむ、なるほどなるほど、、。
松居監督らしいクセがありつつも愛くるしいキャラクターたちが織りなすラブコメディって感じ。
序盤の方にあったファンタジックなシュールコメディの描写も終盤まで走り切るために必要なフリになっていましたし、最後にちゃんと種明かしもあったのでスッキリとした感じで観終えられましたね。
しかし肝心かと思っていた長谷部の病気設定が終盤になっても何も効いていなかったのが少し気になりました。
あと田中が良い奴過ぎたのに特に掘り下げられないしハッピーエンドも用意されていないしでちょっと気になりますね。

どれだけ好きになっても目の前から消えてしまうか忘れられてしまう、自分のことを好きになってくれる人のことを明日には忘れてしまう、色んな設定が入り混じる中で“人を好きになるということ”の酸いも甘いも全部真っ直ぐに伝えてきた作品でしたね。
見上愛のちょっとアニメ声っぽい演技もあってその純粋さも伝わってきましたし、変に斜に捉えることもなく、ちょっといいかもなって考えさせてくれたあたり、監督の思惑通りになってしまったのかもしれないです。
Jun潤

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