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冬眠さえできればのmorinaliのレビュー・感想・評価

冬眠さえできれば(2023年製作の映画)
3.6
TOKYO FILMeX 2023 にて。

2017年に企画段階で「タレンツ・トーキョー・アワード」を受賞したゾルジャルガル・プレブダシ監督(モンゴル)の長編初監督作品。
カンヌ映画祭公式部門にて史上初のモンゴルの長編映画として「ある視点」部門で上映されたとのこと。

ステレオタイプの貧困を描くのではなく、若者達の生活を丁寧に描く中から、プライドなどで覆われた深層にある貧困が苦しくも浮かび上がる感じがリアルで辛い。
また、悲しい場面で悲しい音楽を流さない、若い監督ならではの音楽のチョイスがフレッシュで楽しかった。

なお、大人(本作では母親)が責任を果たすことなく、ヤングケアラーがなんとなく自分を納得させてポジティブに終わる。というラストが私には承服できなかった。
FILMeXならではの、もう一歩進んだ社会性が欲しいところでしたが、この考えが古い?と自覚もしているし、新しい社会派リアリズムとして評価されているのだと思う。
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