わこ

PERFECT DAYSのわこのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

平山さんの過去も今の生活に至る経緯もほぼ語られることは無いけどそこは重要では無いんだなと。あくまでも今の平山さんの日常にフォーカスを当てている。
作中、理不尽さに憤ることもあるが(平山さんも人間なのだと思った。彼の心に余裕があるのも時間のコントロールが効くからであって、これで社畜だったらきっと日常を楽しむ事も当たり前に減っただろうな)それもその時だけ、それをひたすら引き摺ることはない。次の日来たサトウさんを見てニコニコとなったのが印象的。
今度は今度、今は今。
いつもはただの雑音のはずなのに、映画を見終わった後の街を行き交う人々の会話はやけに耳に残った。

最初はてっきり一日目のような穏やかな、自分のルーティンが守られる日がPERFECTDAYSなんだと思ったけど違った。個人的解釈だけれど何が起こっても、過去に何かがあったとしても、周りに振り回されても、浮き沈みを全部抱きしめて日々をあじわっていくこと、それがPERFECTDAYSに繋がってるのかなと感じた。

幸田文さんの書く文章は劇中触れられていたように同じ日本語なのに美しく感じるのは何故なんだろうね。木も読んでみたいな。
わこ

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