あらなみ

ミセス・ハリス、パリへ行くのあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

始終ニコニコしながら見てたーーーーー!!!!!!!!!!

どこまでもお人好しなイギリス人の未亡人、エルダ・ハリスが家政婦としての仕事先のお家で出会いクリスチャン・ディオールに出会い、憧れてパリに飛び、ドレスを買いに行くお話。

労働階級の中でも下級そうなエルダだけれど、夫が戦死したという知らせを受けてから、懸賞に当たったり(一度は競犬ですったけど、掛け金は戻ってきた)、夫の死亡後の年金十年以上分を一括でもらえたりと、パリへ。
1957年のディオールはパリでも超上流階級向けしか相手しないオートクチュール専門店。
見るからにみすぼらしいエルダは相手にされないかと思いきや、親切な公爵や、現金払いのエルダにありがたがるアンドレやスタッフ、エルダが助けたナターシャの助言もあってどうにか買えることに。
運がいいのよね。

作中出てくるドレスがとても素敵だったな。
あと当時のパリのディオールに黒人やアジア人のスタッフやモデルはいないだろうと思うんだけれど、こういう時代考証が必要なものはいかな作品だからと言って、事実をねじ曲げるのは良い気がしないな。

オートクチュールだからこそ、採寸、仮縫い、完成と時間が掛かるからってパリに滞在していなきゃいけないのも大変。
会計士さんのおうちに泊まらせて貰えてよかったね……。
エルダをショースペースに入れてくれた公爵といい、エルダは本当にラッキーなのよな。

オートクチュールだからこその債務不履行を抱えてしまうディオールサイドのお財布事情もしんどいだろうけど、スタッフ達がそのあたりをエルダに話しちゃうのは、エルダが労働階級で、しかも一見客であろうからかな?
気難しいパタンナーもお針子達もエルダのドレスを作りたいって思うのは、励みになるからかもしれない。
でもこのお陰で、立ち行かなくなったディオールがリストラする段階にエルダの旗振りと、アンドレの案によって、現在につながる販売方法に変化を遂げていくというのが、鮮やかだったわ。
実際はどうだったんだろう。

原作ありのお話なんだね。
60歳に差し掛かる女性がヒロインなの、なんかいいなって思った。
年齢も関係ない。好きなものを好きでいられるってとてもいい。
普段の生活から離れて、パリでフレンチカンカンを見たりお散歩したりっていうのは、エルダにとって宝物になるんだろうな。

だからこそ、帰国早々でエルダのドレスを借りておいて燃やした役者の端くれの子には殺意が沸いたわー。
人に対して気遣いができないから大成しないんだと思うよ???????🥺🥺🥺🥺🥺

でも幸か不幸か燃えてしまったドレスの記事が海を渡ってディオールにまで届いてよかった。
これもしも、エルダが一週間も滞在をせず、みんなとの関わりも薄かったら、「あいつ、ひとに貸した挙句に燃やしたんか!」ってなるけど、エルダだからって思えるもんね。
イギリスの記事がフランスまで届くのかは甚だ疑問だけど、そこは天下のディオールということ?

みんなからの手紙と、本当は欲しかった魅惑のドレスを受け取った時のエルダの表情に泣きそうになったよーーー!
エルダ、よかったねーーー!
あと、エルダの隣でショーを観てたおばさんはやっぱり成金だったんだねー!

エルダがディオールのドレスを着ていたパーティー、ドレスの格がみんなと10も100も違くて、これ逆ドレスコード違反では? ってちょっとドキドキしてしまった。
大丈夫? 変わり者とか、浮いてるとかって思われないかな。

エルダの人柄の良さと、周囲の人の優しさがすごいから、見ててずっとほっこりしてたよー。
あらなみ

あらなみ