バンバンビガロ

馬鹿息子のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

馬鹿息子(1920年製作の映画)
3.7
バスターキートンの長編デビュー作となるサイレント映画。おしゃれなオープニングや細かい色使いの変化などに当時の技巧が見られ興味深い。喜劇映画ではあるがギャグをひたすら連打するというタイプではなくストーリーをしっかり見せる映画であり、そこにアクセントとしての笑いがあるという感じ。キートンの整った顔立ちながら少し抜けた感じがイノセントな馬鹿息子の役柄にあっていて好感が持てるし、その他のキャストも結構はまってたと思う。
分けても感心したのはストーリーの出来で、現代に通じる娯楽映画の基本的な構成がこの時点で完成しており驚かされる。伏線、ロマンス、転落からの逆転劇、どれもシンプルながらも過不足なく配置されていてカタルシスのあるラストになっている。もちろん現代の映画のような複雑なプロットや深いキャラクター描写などはないのだがそういったものを抜きにした高品質の作品を見ることで自分が映画に求めているものが何か気づかされることもあると思った。
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