Solo1968

サンクチュアリ -聖域-のSolo1968のレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
3.0
Netflixトップ画面で大々的に毎回表示されていたのと、知人の勧めで鑑賞。

◯千代の富士 そして、若貴兄弟
 と日本中を沸かせたそのリアルタイムを生きてきたが、とにかく全く相撲には興味は持てず、むしろ幼少期 家庭にテレビ一台の時代において、夕方の子供向け番組を見たい自分と相撲をガッツリ見たいじいちゃんとのバッティングで時に泣いて諦める(←じいちゃん、大人気ねーよな)苦い記憶が いくらどんなヒーローが出ても好きになれなかった一つの原因であるのは間違いない。


本作により
自ら 色んな事をGoogle先生で調べる事をしていた!
用語しかり格付けの順番しかり、子供の頃に知っていた名力士の格付けや、歴史上の横綱記録など。
 
すっかり、この作品で苦手意識をあっさり克服して、今では両国の街歩きに思いを馳せたり、体格の良い人を見ると この人もしかして、親方なんじゃねーのか!と勘ぐったりと、見事にハマった。

◯結果的にこの8話の尺が短すぎず長すぎずで良かった
◯3話あたりまでは、マンガ原作感特有の苦手な感じにちと脱落さかけたが、それ以降の巻き返しは息を呑んだ。
◯主人公含めた力士役の表面的な役作りも圧巻だが、セリフ無く目とその動きで訴える カメラであったり切り口なのか?構図?迫力などもとにかく見入ってしまう。
主役の試合では無くある意味脇役の勝負シーンも息を止めて見入った。
◯それほどまでに、相撲の土俵上における ドラマを妙に長い尺の演出などせず、シンプルな進行で作り上げたところも凄い。
割とスポーツものでは、やり過ぎな程のスローモーションや心の声でのバトルが溢れている中、意図的に 試合中の心の声を出すシーンが無く 本物の試合を見ているかのうような臨場感は圧巻。
◯登場人物のほとんどが、何かしらの過去や現在も抱える問題があり、それらの紐解きてあったり、解かれず、放り投げられたままであったり、どうしてなんだろ?などとも思いつつ 最終話では、その辺りは別にどうでも良いし、描かれていようがいまいがどうで良い と思えるほど 主人公の変化に飲み込まれる。
◯各界における (もちろんこの世界だけでは無くどんな社会にも蔓延っている)黒く政治的なドラマも
ひとつのドラマとしてのエッセンスではあるが、見終えてみると、それも別にどうでも良いかな
とすら思えた。

◯テレビでよく目にした 名力士の断髪式の生中継で会場の関係者やお客さんはもちろん、テレビの前の母親も泣いていたが、自分には何がそんなに悲しいのか?と冷めていたが、まさか、作り物のドラマの断髪式のシーンで泣く事になるとは。

◯主人公だけでなく、頂点を目指して日々死ぬような努力をする未来の大物達の誰しもが その人なりの思いを持ち 汗と涙を流して、また稽古に励む
現代らしいオフでの行動のシーンも異様にリアリティーもあり、力士役の全てに興味が湧いた。


続編
あっても良いが
これでおしまい
でも充分すぎるほど

ごっつぁんでした
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