Solo1968

リプリーのSolo1968のレビュー・感想・評価

リプリー(2024年製作のドラマ)
3.5
 現代の技術で撮るモノクロによりあらゆるシーンの光が美しく見入ってしまった。
 撮影の技術の知識はゼロだが、理屈なしに 心を持っていかれる美しさは、単にイタリアの街並みやセットの家具や車や小道具の拘りだけではないはず。
 ふと気づくとこの作品で描かれる1961のありとあらゆるものは、今の自分の生活で触れる事のないようなものばかりなので、例えばタイプライターしかり、手紙、テーブル(何ともいい感じの木のやつ)とグラスなどが触れる際に発する音全ても実はとても心地よかったなと気付いた。

 さてさて物語は
名画「太陽がいっぱい」のリメイク?だそうで、エピソード2を見終えたあたりで調べて判明したが、私はそもそも オリジナルの太陽がいっぱい アランドロンは未体験。ジャケットとアランドロン←とろける男前 と言うことしか知らず、美しい肉体とヨットを操作している あの絵面しか知らないので 勝手に 裕次郎の元ネタだろ?的に思っていたが、ところがどっこい、アランドロンがこんな悪者を演じた作品という事もこの機会で知った。
 当時のオリジナル作品でも主演の立ち振る舞いが何をしてもうっとりするほどカッコ良いというコメントも目にしたが、本作はどちらかというと 少し頼りなく 胡散臭い 役者さんで この人 キャラへのかっこよさというよりは、むしろ部屋であり、窓越しに見える海と鳥であり、バスであったり、階段や街並み 風景全てが息を呑む美しさだった。

どんな場面ですら、切り取ってポストカードにしたいほどだ。

 そこを素直に楽しめないと 割とセリフやストーリーの起伏も少なく 悪く言えば無駄に長いとも感じる人も多いかも。
正直自分も 美しさに見惚れたくせに何度も途中で寝落ちしてしまった事も白状する。

 偉大なミュージシャンの娘さんも異彩を放ちよかったし、個人的には一言も発しない猫ちゃん(当たり前)がめちゃくちゃ素敵だった。
 
 お札を数えて払う動作や、カフェや新聞を買った際にコインをコトンと置く動作はあこがれる。
SuicaとPASMOは味気ないよなぁ
Solo1968

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