リオン66さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

 空気を読むゴジラ。

 ゴジラはみていて微笑ましい。
 ありとあらゆるもの人間のものを壊し、最終的に再生に導いてくれるからだ。本作も多分に漏れず、破壊と再生をみせてくれて大満足だった。
 
 ただド
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モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

2.8

 綺麗にまとまった丁寧な道徳映画。

 いろいろと思うことはあるが。みんなでワイワイゴジラ映画としては面白い。
 
 ただ、モスラが好きになれない。という個人的な好みが最後まで引っかかってしまった。

三大怪獣 地球最大の決戦(1964年製作の映画)

2.6

 初代ゴジラとはまったくベクトルの異なる怪獣映画。

 初代ゴジラに求めるものを本映画に求めたために痛めにあった。どうしてこうなってしまったのか、首をひねるほどだった。

 けれども、娯楽作としては予
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ゴジラ(1954年製作の映画)

4.0

 最初にして最高の作品。

 文句のつけようがない傑作。
 怪獣シーンとドラマシーンが見事に両立している。さらに、戦後間もない日本の匂いが映画全編に漂っており、見るものに緊張感を与えてくれる。

 本
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赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。(2023年製作の映画)

1.1

 大人たちの中途半端なお遊戯会。

 設定。内容。舞台。音楽。演技。推理。衣装。役者。CG。この映画を構成するありとあらゆる要素がすべて中途半端だ。B級にもなり得てない。これならよっぽど、酷い銀魂の方
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.4

 オシャレな復讐劇。

 一つ一つのアクションがオシャレでみていて、心地よい。すこし洒落過ぎていて、重厚感にかける部分はある。とはいえ、格好いいことに限りない。
 ホテルやビニールハウス?みたいなとこ
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クンドゥン(1997年製作の映画)

3.7

 見事な生きる現代史であり、ダライ・ラマ14世のヒストリー映画。

 丁寧に歴史を紐解き、尚且つ世界を構築する些細なエピソードがあることで本映画の魅力を見事に引き出している。

 ただ、上映時間が2時
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.5

 広瀬すずが闊歩する東京を描いた映画。

 とどのつまりは、アイナ・ジ・エンドを撮ろうとしたものの、広瀬すずの空虚な演技の魅力の方に軍配があがってしまった映画と言えるだろう。

 岩井俊二がアイナ・ジ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

 富は海の水に似ている。 それを飲めば飲むほど、のどが乾いてくる。当に、この映画が体現しているものだろう。 

 もっと、極端な言い方をすれば、スコセッシ版のマイケル・ベイ監督のペイン&ゲインと言う事
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ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.1

 スコセッシ監督の映画への感謝を込めた一作。

 本好きのための本。アニメ好きのためのアニメ。漫画好きのための漫画。など、通好みの作品は、どのような媒体にもある。

 本映画は当に映画好きのための映画
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

 人間たちが住む、どうぶつの森。

 小さな島で住民たちとコミュニケーションを通してほのぼのと生活するゲーム、あつまれどうぶつの森。けれど、プレイした人間ならわかると思うが、好きな住人と嫌いな住人が出
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

2.0

 宮藤官九郎が描いたコロナ禍後の令和日本の地獄巡り。

 ゆとりですが何か。ドラマとスペシャルドラマ鑑賞済み。テレビドラマの続編ということだが、まったくの別物としての映画版だと勝手に思った。

 確か
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アビエイター(2004年製作の映画)

3.5

 豪華で間口が広くみせながらも、窮屈な狂気を描いた小品。

 一見すると、大きな世界で大暴れしていくような話に見える。だが、後半になればなるほどに狭く、そして暗いものになっていく。スコセッシ監督が描く
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

2.0

 映画製作者による日本の映画業界の現状報告。

 話せばわかる。
 結局はみんないい人。
 田舎は大変だ。
 病魔が降りてくる。
 回想の連発。
 日本人が外国人。
 汚いものに蓋。
 田舎の人が優し
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

4.0

 アメリカ貴族の燃えきれない大恋愛。

 マーティン・スコセッシ監督は悩む人間を描くのが上手い。本作も多分に漏れず、見事に一人の人間の苦悩を体現化している。

 悩む男の表情。悩む男を取り囲む世界。悩
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みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

3.7

 物凄く低俗で、寒いギャグも多くあり、内容も支離滅裂ながら、なぜか嫌いになれない本作。

 見終えたあとのなんとも言えぬ、虚脱感がいいのかもしれない。楽しもうとするのではなく、自分の垢を流していく感覚
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バックドラフト(1991年製作の映画)

3.3

 火災シーンは見事だが、それ以外が大味。

 出てくる出てくる炎のシーンは観ているこちら側までもヒヤヒヤさせる。あの色と動きは、恐ろしい。

 しかし、それ以外のドラマパートはどれも散らかっており、肝
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逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.9

 NHKの番組にて、80年代同年代製作として、家族ゲームと並び本作を紹介していたので鑑賞。

 家族の崩壊の狂宴。これを見事に描ききっている。家族ゲームが外部からの崩壊としたら、本作は内部から家族の崩
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恋のためらい/フランキーとジョニー(1991年製作の映画)

2.5

 赤い糸がこんがらがって、縦の糸も横の糸もわからない状態のままに繰り広げられるラブコメディ。

 まったくこの二人が最初から最後までみていて、惹かれ合う理由も愛しあう理由も共感しにくく、最後にいたって
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.6

 面白おかしい大冒険ではなく、内面世界を彷徨う映画になっている。

 生きること、アイデンティティが大きなテーマとなる本作。内容の深みを増すことに成功はした。しっかりと時間を割いて、話を描いているので
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ダークグラス(2021年製作の映画)

2.9

 相変わらずの音楽に、相変わらずの殺人鬼。そして、相変わらずの展開。相変わらずの鮮血。

 伝統芸能の型のようだ。

 だこらこそ、もちろんいい意味で裏切らない。そして、こんなオドロオドロシイ内容なの
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

3.8

 復讐の連鎖。

 これでもかと復讐の型が披露される本作。観ていて、ただ、ただ辛い。

 だが、不思議なのはそんな本作にも関わらず、ポロッと笑ってしまうシーンが最後まであることだ。

 残酷さと滑稽さ
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親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

3.7

 美しいアイドル映画。

 内容や音楽、カメラアングルなど映画を構成する要素一つ一つが微に入り細に入っている。

 とはいえ、本映画は主演のイ・ヨンエを愛でることに重点が置かれているといっても過言では
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イカボード先生のこわい森の夜/イカボードとトード氏(1949年製作の映画)

3.5

 どちらの話も教訓もなければ、救いもない。だから、観ていて楽しい。へんてこ最高。

 そんな斜に構えて生きている人向けのディズニー作品。

街の灯(1931年製作の映画)

4.5

 素晴らしいに尽きる。

 こんなにも面白くて、切ない映画はない。人の素晴らしいところ、醜いところが余す所なく描かれている。

 この映画を見ることができる環境がある限り、人間は生きていけると勝手なが
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犬の生活(1918年製作の映画)

3.6

 コンパクトにまとまったコメディの短編映画。

 一つ一つの動作、表情はさることながら、街の雰囲気もとてもよろしい。

 細かいことや大きなことを気にせずに笑うことができる。やっぱり、チャップリンは素
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ライムライト(1952年製作の映画)

4.0

 人生は願望だ。意味じゃない。人生はすべて願望だ。バラはバラになろうと望んでいる。岩は岩になろうとしている。何を笑う?

 この映画はこのセリフに尽きるような気がする。

 書店に並ぶ本やトップにあが
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サーカス(1928年製作の映画)

4.2

 文句なしに素晴らしいコメディ映画。

 一つ一つの笑いの要素だけでなく、セットや出演する動物たちが見事で1928年の映画とは思えない。

 馬、猿、ライオン。とても微笑ましかった。

巴里の女性(1923年製作の映画)

3.5

 シビアな男女の関係を描いたチャップリン監督作品。

 そして、この作品にはチャップリンが主でだって出演していない。ウディ・アレンが喜劇と悲劇の両方を撮るように、チャップリンもこのような悲劇を初期に撮
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.0

 静かな静かな個人的な映画。怖いくらいに、香川照之、新井浩文、ピエール瀧も静か。

 一つの事件を中心して人と人との関係性や思いをたっぷりのメタファーを用いながら描く本作。

 タイトルの通り、ゆれる
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恋におちて(1984年製作の映画)

3.0

 混じり気のない綺麗な不倫映画。そんな映画もあっていい。

 現実を忘れさせてくれるのも映画の1つの役割と考えるなら不倫映画もあっていい。

 ただ、あまりにもシンプル過ぎてしまって余韻が薄い。その要
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.9

 日本という社会をしっかりと描ききったエンタメ作品。

 パンフレットの中に、最近の若い監督は個人描くことは長けているが、社会を描くことを避ける傾向にある。といった旨の言葉があった。この映画にはまさに
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ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013年製作の映画)

3.6

 夢を叶えるのも大変だが。夢を諦めることも大変。

 この映画の眼差しはとっても厳しい。映画に出てくるような優しさは一切排除されているといってもいいかもしれない。

 でも、その根底には何故か優しさを
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麦子さんと(2013年製作の映画)

3.0

 堀北真希の素朴な美しさがただ、ただ炸裂しているだけの映画。

 内容はない。先述したように、堀北真希の様々な美しがみることができるだけだ。でも、それだけでも大きな価値がある。

 演技は大したことは
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.4

 強いけど体が丈夫ではない男。
 ボクシング強いけどボクシングの神様には見放された男。
 女にもてたくてボクシングを始めた男。

 弱い男たちの惨めは青春群像劇。
 味わい深く最後まで鑑賞できた。
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ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

2.5

 治安の悪い深夜のドンキ・ホーテをずっと観ているような映画。

 確かにモキュメンタリーをノーカットで撮っているので面白いんですが。

 どうも内容や演出が好みではない。それに尽きます。