リオン66さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

救命士(1999年製作の映画)

4.0

 深夜眠れないときにみたい映画。

 病んだ救命士がスラム街を救急車で彷徨うという最高の設定が何よりも大好物だ。こんな書き方をすると暗澹たる映画に思われてしまうが、決してそんな側面ばかりではなく、藻掻
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パッション(2012年製作の映画)

3.8

 美しい女たちの痴話喧嘩とサスペンス。

 こんな身も蓋もないものが、デ・パルマにかかると、とても美味しく観ることができる。ただ、少々バランスは悪い。
もう少し、サスペンスを引っ張ってもよかったのでは
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中国女(1967年製作の映画)

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 やっぱり、ゴダールは難しい。

 政治的な思想と美しい色彩が散りばめられた上に美女たちが空洞的なセリフをつぶやくわけなのだが。

 もっと、ゴダール作品を鑑賞して修行をしなければ。
 

セロ彈きのゴーシュ(1982年製作の映画)

3.7

 心地よい良質なアニメーション。

 暖かみのある人物、動物。コミカルな動き。素晴らしい音楽。それらは、観るものを癒やしてくれる。

 これぞ、アニメという一本だろう。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

 アクションや内容は文句なしにいい。カーアクション、電車での決闘などなど、見ていて気持ちがいい。

 けれど。他のシリーズ映画に言えることでもあるのだが、確立された主人公の過去や意義などを深堀りする必
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劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

2.0

 成長しない少女の物語は退屈でしかない。そこにいくら魔法や猫が散りばめられても、変化はない。
 そして、アニメーションとしてもイマイチ。冒頭の車のシーンのあのノッペリした感じは違和感しかない。

 父
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

 風立ちぬの堀越二郎が帰ってきた。
 空飛ぶやつらと対峙するために。
 親しい仲間を見つけ出すために。
 狂気の世界から脱出するために。
 ピラミッドを唯破壊するために。
 今度こそ愛する人を救うため
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

1.9

 お年寄り万歳映画と思いきや、まさかの老い体感映画。

 故に、ラストまで、ラストのためにインディと観客は苦しむ。

 しかし、あの苦しみは、本当に必要なのか。
 
 ヒーローにあの苦しみは本当に必要
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恋人たちの予感(1989年製作の映画)

3.5

 喧嘩するほど仲が良い二人の話というところだろう。

 楽しいラブコメであることに変わりないのだが、本作のセリフに何度も出てくる男女の友情を取り扱った作品と考えると物足りないだろう。

 

アリスの恋(1974年製作の映画)

3.8

 ハートフルムービー。

 どの登場人物たちもそれぞれ癖があり、異常であるのだが憎めない。それは、人としての暖かみがにじみ出ているからだろう。

 人との人との暖かみを思い出させてくれる、そんな一本だ
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

 誰かにしか手にはいらないものは幸せって言わない。しょうもない。誰にでも手にはいるものを幸せというの。

 このセリフに本映画は集約されるだろう。

 ぜひ、この映画の中で上記した幸せの呪縛から逃れら
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明日に処刑を…(1972年製作の映画)

3.0

 映画の公開も、映画の舞台も古いんだけれど、何故か遠い感じがしない。

 それは、スコセッシ監督作品ということもあるんだろうけれども。それ以外にも、現在の日本の現状が大きく起因しているような気がする。
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アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

3.9

 心地よい不条理劇。

 不条理というと小難しい話とか、哲学的な話とか、あるいは濃厚なテーマを入れてきたりすることも考えられる。

 しかし、本作は小刻みなテンポで様々な事件が襲いかかるだけでそれ以上
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ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

3.5

 貞操で悩む青年の話。

 こんな書き方をすると古臭い話と思われてしまうが、これは普遍的な話だ。いまだに、男が大っぴらに性への遍歴を語れば誰もが聞き流すが。女が性への遍歴を語れば角がたつことが予想され
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

3.8

 厄介な友達に振り回せれる映画。

 当たり前のことだが、関わっていて全面的に居心地の良い人なんていない。どこかしらに欠点がある。それは誰もがそうで、かくいう自分自身もそうだ。故に人はお互い様と折り合
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ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

3.5

 日本の任侠もののような映画。

 様々な歴史的な背景もあるのだが、そんなことを知らなくても十分楽しむことができた。

 とはいえ、ダニエル・デイ=ルイス演じるギャングは逸品だった。

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0

 決して諦めるな。悪人が勝つのは善人が行動を起こさないから。

 本ドキュメンタリーは、これに尽きる。

 善人というか自称善人が多い日本にとってこの言葉は突き刺さる。これは対岸の話ではない。いまの日
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チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

4.5

 最高のコメディの一つ。

 見事なコメディに、夢を持つ男。そして、ちょっぴり切ない恋愛模様。

 古さがあることは否定できないものの、それを越えた面白さがここにある。

 チャップリンは見事だ。

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

 大きな歴史と小さな歴史が観るものの心を揺さぶる。

 中国の大きな歴史を詳しく知っているわけでも、最後の皇帝である溥儀がどのうよな人生を辿ったのかも知らない。

 けれども、この映画を見ているとこの
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娼婦ケティ(1976年製作の映画)

4.0

 少女趣味を残酷で味付けで見事に仕上げた傑作。

 ストーリーラインは大したことないのだけれども、最初の姉さんの船のシーンにしろ、最後の壁にかかる絵にしろ。一つ一つが熱い。
 そして、主人公は決して感
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(ハル)(1996年製作の映画)

4.0

 パソコンでしかネットに入ることができないこのもどかしさ。そして、そこから生じる焦燥感が観るものの心を揺さぶる。

 現在はネットでの出会いなんてのは当たり前になりつつある。しかし、本映画ではまだまだ
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

2.9

 いいところで終わってしまった本作。

 もう少し先までみたかった。あの親子が今後どうするのか。隣人の家族はあの町内会の中でどのような選択をし続けてくのか。

 現在の日本に求められているのは、このド
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震える舌(1980年製作の映画)

3.7

 コロナがようやく落ち着いた時期に鑑賞した本作。

 コロナという時代を経たからこそ、本作の伝える恐怖と医療が染みるように伝わってきた。

 悪いことをした人も何もしてない人にでも襲いかかる病気という
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真実(2019年製作の映画)

3.0

 家族が家族する映画。

 万引き家族も、誰も知らない、そして父になるなどにも言えることだけれど。本作品の監督は家族が家族を演じる映画を描く。

 それが、今回でも用いられそれぞれの登場人物たちが家族
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.0

 アントマン、量子の世界までお疲れ様。というのが本作を見終えたあとの感想。

 内容はいつもどおりの展開なのでいうことはない。ヒーロー映画はかくあるべきという展開だ。

 ただ、一つイチャモンをつける
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8日で死んだ怪獣の12日の物語(2020年製作の映画)

2.8

 コロナ禍でも怪獣のことを考えられる異常さに拍手。

 これこそクリエイターの頭の中身だろう。ただ、それが面白いかは別。

 けれど、不思議と印象に残る。
 
 結局何がしたいのかわからない、というの
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

2.9

 日本の上流社会を描く映画として期待した本作。

 見事に期待は裏切られた。よくある上流下流との相違点と類似点を描き、誰もが共有する幸せとは何かへと焦点を合わせる佳作となってしまった。

 決して、つ
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テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

3.5

 ロマネスク映画。

 あらゆる現実を虚構と見なしていく恐ろしい映画。恐ろしさを超えて笑えてくるものを多分にあった。

 ただ、あまりにも突飛なために無学な凡人にはついていけない箇所が多かった。映画の
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.7

 人間関係における、告白、赦し、応答の大切さを教えてくれる映画。

 私はキリスト教徒でもない。そして、いいわけではあるが、日本の教育において宗教はない。よって、映画全編の3分の2さえも理解できなかっ
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緑の光線(1986年製作の映画)

3.7

 好き勝手な主人公が一人旅でリフレッシュしようとするものの、上手くいかない話。

 こんなことを書くと自分探しのハートフルな映画かななんて早合点してしまいそうだが、残念ながらそんな癒やされる映画ではな
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

 日本人必見のドキュメンタリー。

 政治の話がどうこうとか、思想がどうこうとか。デリケートな話はやめようとか。政治の話はしらけるとか。

 そういう問題の次元ではない。そんな臭いものに蓋をした、寝た
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.5

 二時間以上ある顔見知りの卒業式に参加した感じ。

 決してガーディアン・オブ・ギャラクシーのシリーズが嫌いなわけでもなければ、ジュームズガン監督も嫌いなわけでもない。どっちかといえば、好きだ。にも関
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街の上で(2019年製作の映画)

2.0

 浅瀬でぴちゃぴちゃと男女が戯れているような映画。そして、誰かが深淵を覗き込むようなこともなく、ただ時間が流れていく。

 こういった恋愛ドラマが作られているのは邦画にとって、とてもいい。ただ単に、愛
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

3.8

 極論すると、ウェス・アンダーソン版藤岡弘探検隊というところだろうか。

 もちろん!ウェス・アンダーソンなので、終始オシャンティ。

 出てくる生物はもちろんのこと。船や潜水艦さえ、そして隊列も可愛
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.9

 多様性を心地よく描く快作。
 ストーリーも散漫にならず、上手く仕上がっている。見られる年齢層が広いために、間口が広がらずにすんだのかもしれない。

 それぞれの動物たちのキャラクターが癖がありながら
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.9

 みんなのためのマリオ映画。
 みんなための映画。

 ゲームのマリオはゲームの楽しさを教えてくれるが、もしかすると映画のマリオは、マリオの楽しさを教えてくれるかもしれない。

 これは冷静に評価はで
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