リオン66さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.4

 強いけど体が丈夫ではない男。
 ボクシング強いけどボクシングの神様には見放された男。
 女にもてたくてボクシングを始めた男。

 弱い男たちの惨めは青春群像劇。
 味わい深く最後まで鑑賞できた。
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ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

2.5

 治安の悪い深夜のドンキ・ホーテをずっと観ているような映画。

 確かにモキュメンタリーをノーカットで撮っているので面白いんですが。

 どうも内容や演出が好みではない。それに尽きます。

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

2.5

 単調なホームドラマ。

 確かに一見すると設定は特殊かもしれない。けれど、娘夫婦と娘の父との交流が、これまでのドラマのように描かれるだけだ。

 ぶつかりながらもお互い仲を確かめ合う。それを基に、あ
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純喫茶磯辺(2008年製作の映画)

2.8

 何かものたりない。

 家族の違和感。男のエゴ。ポンコツ人間の女。変な喫茶店。母性の足りない母親。喫茶店に集うおかしな客。などなど。へんてこがあるのだが。へんてこが足りない。中途半端なへんてこなので
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なま夏(2005年製作の映画)

2.9

 すべてが不細工なおじさんと女子高生のお話。

 吉田恵輔監督の初期作ということで鑑賞。

 その後に現れる、不均衡な関係性や歪な家族、ディスコミュニケーション、情けない暴力、拒絶感など作家性が現れて
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犬猿(2017年製作の映画)

3.4

 喧嘩するほど仲が言い訳ではない映画。

 どうして、この監督は観るものをいい意味で不快にさせるのだろうか。どの人物の言動も分かる部分はあるにはあるが、感情移入したくない人物ばかり。人って自分勝手で愚
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さんかく(2010年製作の映画)

4.0

 己のエゴを吐き出し合う人たちの映画は最高だ。

 片一方の人間が我慢する映画。変な人を私は好きだからいいのとか独白する映画。エモいことを重ねて私達は若いからいいのと叫ぶ映画。3大欲求は抑えられない映
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摩天楼を夢みて(1992年製作の映画)

3.8

 終わらない競争の悲劇と狂気。

 競争をひていするということは決してない。けれども、血を吐くような競争が永遠に続くことは誰も望んでいないのではないか。

 この映画には競争を続ける者たちが6人出てく
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

 猫をかぶったり、はずしたりする映画。羊の皮を被ったフクロウみたいな映画。

 いつものようなノホホンとしたウェス・アンダーソンワールドが、待っていると期待して足を運んだのだが。

 今回は、そのウェ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.8

 犬と人間の冒険譚。
 ほんわかした気持ちになれる良作。
 
 とはいえ、大事なことは、ウェス・アンダーソンの日本像が観れたこと。それだけで、大満足。
 

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.4

 永野芽郁の可憐さと奈緒の魅惑で駆け抜けていく映画。

 はっきりといって、演出は酷い。タバコの吸い方も洗練されてない。永野芽郁の言葉遣いがあってない。ギャグが内容から浮いている。bgmがくどいし、う
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ニューヨークの恋人(2001年製作の映画)

2.9

 タイムトラベルものとしてみれば、目の当てようがないほどにお粗末な内容だ。しかし、ラブコメとしてみると心地よい映画。

 とはいえ、映画の根幹部分にあたるタイムトラベル部分が生かされていのので物足りな
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BUG/バグ(2007年製作の映画)

3.7

 愛しあう男と女が虫に翻弄される狂気じみた映画。

 ストーリーは上記のように単純だ。
 それでも、引き込まれる。それは、ちょっとした仕草や、画面に映る違和感、役者の仕草など。その一つ一つの芸が細かい
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

 ハリウッドによるクレしん映画。

 過食気味のマルチユニバースを題材にした本作。上手い役者、センスの良い演出、見事なアクション。そして、誰もが共感するであろう家族の問題。くだらないギャグ。などなど、
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.0

 ラブコメとバイオレンスが合体した意欲作。

 それぞれのパートはとても面白く、最後まで楽しく見ることができる。

 ただ、ラブコメとバイオレンスが交互になることで微妙なバランスのズレが生じるためにテ
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.3

 関係を上手く構築することができない不器用な男女の恋愛映画。

 ユーチューバーのこととか。インフルエンサーがどうのとか。メディアリテラシーが何とか。そんなことは本映画には語られていない。

 これは
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ロマンス(2015年製作の映画)

2.6

 カッコつけた箱根の風景ではなく、親しみのある箱根に彩られたロード・ムービー。

 ロード・ムービーというと決めた画が多用されるものが多い。だが、本作は異なる電線が通っていたり、汚くもなく綺麗でもない
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Talking Head トーキング・ヘッド(1992年製作の映画)

3.7

 押井守のエッセンスが詰め込まれた怪作。

 映画というものの形が、劇場そしてテレビ放送、レンタルショップという形から変化し、動画配信でみられるようになった今現在。

 映画がこれから一体どこにいくの
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LIFE!(2013年製作の映画)

3.0

 ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない。

 このことわざの本来の意味は、知識のない者や愚かな者が旅に出ても、出発前と同じままで本質は変わらないこと。

 だが、本当にこのことわざの
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コミック雑誌なんかいらない!(1986年製作の映画)

4.0

 恐縮です。

 この映画はこの言葉に尽きる。恐縮。すいません。恐れ入ります。といった、前口上を切り出して、即座にずかずかと乗り込んでくる日本人の恥部がこれでもかと見せつけられる。この映画の2年後、伊
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恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.9

 生きたいと願う者たちの幻覚がさまようと傑作映画。

 60分という短い時間の中に、戦争の普遍的な陰惨さが詰め込まれている。さすが、キューブリックということだろう。

 ただ、その短さのために余韻が感
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めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

3.0

 ウディ・アレンの映画の中で、薬よりも幻想の方が効く場合もあるなんてセリフがあった。けれども、あまりにも幻想が効きすぎるとどうなるだろうか。

 本映画は幻想というなの甘いクリームがふんだんに使われた
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レミーのおいしいレストラン(2007年製作の映画)

3.8

 ピクサーによるディズニーの原点回帰を行う意欲作。

 ディズニーといえば、言わずもがなミッキーマウスだ。かくいう、ミッキーマウスは周知の通り、ネズミの擬人化に他ならない。ネズミという人間が忌み嫌う存
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

 映画館という暗闇の中で、じっくりと不気味な世界に没入するに相応しい映画。

 確かに人を選ぶような題材を採っているので、万人向けでは決してない。とはいえ、絶妙なバランスの上に本映画は成立してちる。一
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ファンドとリス(1967年製作の映画)

3.5

 ホドロフスキーによる道。

 過激な要素はただあるが、お話は単純明快。男と女は、簡単にはわかり会えないということだろう。

 だから、男と女の映画は面白いとも言えるわけだが。

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.6

 禍福は糾える縄のごとし。

 人の想いが、わかりやすく描かれている。そのわかりやすさが、本編の魅力であり、面白さでもある。けれども、反面、その感情のわかりやすさが観るものの感情の信号を明確にしすぎる
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メリダとおそろしの森(2012年製作の映画)

2.5

 小さな喧嘩。小さな冒険。小さな王国。小さな決断。

 これまでのピクサー作品と比べると残念なほどに小さい。これまでのピクサー作品のように小さな世界に大きなものが沢山詰まっていればよかったのだが。この
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The Severed Heads(英題)(1957年製作の映画)

3.8

 隠しきれない狂気とパワー。

 ホドロフスキーの長編と比べるとあの狂気じみた雰囲気は現れていない。

 けれども
 あの不気味な明るさを放つ店。
 怪しい町並み。
 肥えた淫靡な娼婦。
 戯けたホー
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息もできない(2008年製作の映画)

3.8

 ボディーブロー胸糞映画。

 映像の刺激や、内容の激しさでいえば、他の韓国映画に比べれば見劣りする。

 けれども、みれば見るほどにじわじわと辛さが込み上げてくる不思議な映画。

 

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.6

 幸せな母と息子の物語。
 不愉快になる韓国映画に比べれば、この映画はまだ幸せだろう。

 知らぬが仏とは、当にこのことだろう。

イグジステンズ(1999年製作の映画)

3.8

 ゲーム制作者の罪と罰の物語。

 この映画をトータル・リコール、攻殻機動隊、マトリックス、レディ・プレイヤー1といった作品と見比べれば内容は見劣りする。

 しかし、これほどまでにゲーム制作者が背負
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.0

 愛をむき出しにした映画。

 愛を確かめ合うことは困難を要する。何を言って、何をして、何を結んだところでそれがお互いを愛し合っているという確たる証拠にはならない。所詮、自己愛の延長線上に微かに見える
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汚れた血(1986年製作の映画)

3.8

 誰もが観たい、気になる場面になると突如として熱量が下がるそんな不思議な映画。

 けれど、自己表現になるとこの映画は光りだす。走ったり、マジックしたり、シェーピングをかけあったりと。感情を爆発させる
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天使のたまご(1985年製作の映画)

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 数年かけてようやく見終えることができた。

 こんなにも観るものを突き放すアニメーションはないのではないか。

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.5

 この映画は当にタイトルまんまだ。ボーイ・ミーツ・ガール。男と女が出会う話。

 こう書くと、身も蓋もないが、この映画には、あらすじでは表すことができないものが、有象無象に詰まっている。溢れている。そ
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ブルークリスマス(1978年製作の映画)

3.7

 日本で撮ることができるSF映画の到達点の一つではなかろうか。
 終始漂う映画薄気味悪い雰囲気がたまらない。所々に現れる、あの青さは観るものさえも震えさせる。

 見終えて思うことは、青い血の人間が現
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