タイトル通り、94歳 (先月 95 歳になられたとのこと) のゲイ老人のドキュメンタリー。TBS のドキュメンタリー番組 (未見) の劇場版らしい。
カミングアウトは無論、性交渉も無しで 90 年近>>続きを読む
奈良の山村を舞台にした「PERFECT DAYS」。幻想の東京ならぬ、幻想の奈良。自治体主導のプロジェクトであることもそうだが、作品の雰囲気にも共通点を感じる。
「淵とは流れが緩やかなところ、魚はそ>>続きを読む
「光」をテーマに一般公募した短歌から4首を選び、それを原作に4章からなるオムニバス映画に仕立てた作品。杉田監督の4作の長編のうち唯一未見だったのを特集上映で初観賞。
映画の各章も「光」と「歌」(短歌>>続きを読む
杉田協士 監督の一番好きな長編作品、下高井戸シネマの特集上映で3度目の観賞。
明と暗・静と動・哀と楽の振れ幅と、寡黙な語り口のバランスが絶妙で、飯岡幸子 の撮影も、なぜか杉田監督の他の作品に比べて本>>続きを読む
「12日の殺人」同様実に収まりの悪いエンディングの、実話に基づく社会派サスペンス。例えが古いが「ノーマ・レイ」みたいな労働組合ものかと思ったが、焦点はそこには無い。
事件に至るまでの回想の前半部と、>>続きを読む
方向性が異なる ADHD 傾向をもつ二人の女子高生のシスターフッド・ムービー。
ドラマとしての弱さは感じるものの、それを補って余りある当事者性で「じゅり」と「いと」を演じる二人の俳優がなかなか良い。>>続きを読む
10年前 NHK の番組のために監督という立場から長江を撮った竹内亮。その後中国へ渡り人気YouTuberになった彼が、2021年から2年をかけて、10年前に出会った人々と再会を続けながら長江の最初の>>続きを読む
らい病患者療養所「愛生園」。そこに、昭和13年 (当時10歳) から暮らし続けている かずゑ さんの日々を記録したドキュメンタリー。
カラッとした彼女の語り口とは裏腹に、曰く「天国でもあり地獄でもあ>>続きを読む
崔洋一監督がインタビュアーになり、松田優作をよく知る人々に生前当時の話を聞いた記録映像。WOWOW オンデマンドで。
特に彼のことを詳しく知っている訳ではなので、桃井かおり、水谷豊、原田喧太 (ミュ>>続きを読む
ノーランの長編デビュー作の HD レストア版上映。70分なので中編と言っても良いくらいスルッと観られる。
なかなか面白い。言ってしまえば、「メメント」の前身作。時系列をいじくり回すのは、本作とか「メ>>続きを読む
クローネンバーグの息子 (?) が撮ったリゾート・ホラー。
父デヴィッドの「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」同様、何が良いのか分からず。失礼ながらどちらも、いい歳していつまで厨二病?と思ってしま>>続きを読む
大衆演劇の座長の息子が主人公の青春映画。
全く食指が動かないタイトルも問題だが、危うくスルーするところだった自分を叱りたい。もっと観られて然るべき作品。
「カラオケ行こ!」で合唱部長役だった 齋藤潤>>続きを読む
ヨーロッパ企画の時間SFものを WOWOW で初観賞。鏡合わせのアレを「ドロステ効果」と呼ぶことを初めて知った。2020年6月公開ということは、コロナ下の配信公開だったのだろうか。
「リバー、流れな>>続きを読む
韓国語で「イニョン」 ー 「縁」 で綴る初恋の物語。ちょっと懐かしいスタイルで、アメリカに移住した韓国女性の生き方を描く A24 作品。
あの時ああしていれば、という想いは誰にでもあるはず。24年前>>続きを読む
旧作ハシゴ、二本目はジブリ初のテレビ放送用作品の劇場公開。今回初見のとても上質なセルアニメ。
都会から来た女の子に、地方都市の男の子二人が振り回される話。彼女の行動は現代の目で見てもかなり破天荒。今>>続きを読む
2023年公開当時ノーマークで見逃していたノルウェー映画。年末のベスト10に本作を挙げている人もチラホラ。同監督の新作「リトル・エッラ」公開に合わせてリバイバル上映。
終映後に クリスティアン・ロー>>続きを読む
話題のアメリカ製原爆映画。
とてつもないスピードのカットバックといい、3時間ずっと維持し続ける緊張感といい、映画としての仕上がりは凄いとは思う一方、登場人物がいたずらに多く饒舌かつ早口で、意図的にしか>>続きを読む
男子心きゅんきゅんの、新海誠 原液 100% アニメ。劇場では初観賞。これでもかというほどの浅い被写界深度と色彩美。スクリーンで観る桜と雪の描写が見事。
小中学校までは男は幼いのだよ。かと思うと急に>>続きを読む
薬害企業とその経営者一族に対する抗議活動と、その急先鋒を務める写真芸術家ナン・ゴールディンの人生の両輪で綴る、複雑でヘヴィーで力強いドキュメンタリー。自分は写真が趣味の一つでもあるので非常に興味深く観>>続きを読む
ストーリーは有って無いようなものだが、兵庫の街ってこんなに土着的なのだろうかと思うくらい、ロケーションと美術と撮影が素晴らしい。森山未來、瑛太、さとうほなみ、小泉今日子 ら出演陣含めて、画力だけでも楽>>続きを読む
「世にも奇妙な物語」でやりそうなエピソードを、じっくり緻密に丁寧に描いた感じ。
テーマは、人が人を直接、物理的に裁くことの重さ、しんどさ、それは SNS で会ったことも無い人をキーボードで裁くことへ>>続きを読む
くらってしまいました。
1994 年公開当時劇場で観ているはずだが記憶はおぼろ。少なくとも、こんなに泣いた記憶はない。
全てのシーンが、すべての音楽が、素晴らしい。特に海岸のシーン。貝殻で描いたタツ>>続きを読む
アメリカの連邦最高裁が人工中絶を合法と認めたのが 1973 年。これは、その前夜の時代の物語。
ウエットなヒューマンドラマだったらイヤだなという心配は杞憂に終わる。想像以上にドライで力強いストーリー>>続きを読む
浅野いにお原作漫画のアニメ化。タイトル通り、デーモンによる世界の破壊の物語。原作未読で観賞。「ドラえもん」オマージュの、2020 年代版「第9地区」という感じ。
ちんまい世界系的な語り口に収まること>>続きを読む
公開時劇場で観賞したのだがイマイチ消化できず、今回 WOWOW 放送の録画で再鑑賞。
地味に残酷な話。嫌いな話では無いはずなのだが、一本調子にずっとシリアスで、ユーモアとまでは言わずとも一切緩和が無>>続きを読む
壮大な宇宙叙事詩のパート2。
IMAXレーザーGTのそびえ立つ正方形大画面いっぱいに迫る、シャラメのどアップや、「NOPE」でも見たような丸くてデカイ口の迫力は確かにすごいし、シートが震える音響もす>>続きを読む
1980年台が舞台の痛々しい青春映画にして、もちろん映画愛の話。
前作も観てないし、舞台となる映画館 シネマスコーレ も 若松孝二 監督についても予備知識なしで観賞したが十分楽しめた。
井浦新 と >>続きを読む
アップリンク吉祥寺でハシゴの二本目。最近の韓国映画に多い、二匹目のドジョウを狙ったような作品。
着想は悪くないのだが、社会問題の絡め方が通り一遍で予想通りに話が進み、結局どこかで見たような話がそこそ>>続きを読む
フランス田舎町で起きたとある女性の殺害事件を巡って、深い穴の縁をいたずらに周り続け、挙げ句の果てに取り憑かれても、一向に核心に近づけない物語。期待通り、大好きなヤツでした。
捜査する側もされる側も、>>続きを読む
じわじわ高評価のドキュメンタリー映画をリバイバル上映で。埼玉の中学二年生のとあるクラス、35 人の一人ひとりを取り上げる。が、「密着」は大袈裟。
新入生 (一年生) でもなく、卒業を控えた三年生でも>>続きを読む
監督の中学時代の体験をモチーフに、クラファンで資金を集めて制作された、2023年公開の自主制作作品。
授業のシーンにも登場する「銀河鉄道の夜」を下敷きに、解釈が見るものに託される不思議な物語は、ギリギ>>続きを読む
シスターフッドものであり、チームフッドものであり、ジェンダー映画でもある、ダイアナ・ナイアドという実在のチャレンジ・ジャンキーの話。
もう最後は一緒に泳いでいるようで疲労困憊の感。なぜ彼女はこうも挑>>続きを読む
黒人文芸作家が主人公のブラック・コメディ。少し前ならユダヤ人作家が描きそうな話 (例えば フィリップ・ロス とか) を アマプラ で観賞。
変な方向に話が転んでいく様は「ドント・ルック・アップ」を想>>続きを読む
エンドロールのクレジットによれば、中国ドラマのリメイク作品の模様。
少し前に「サイコパス vs. 連続殺人鬼」という惹句の映画があったが、本作こそまさにそんな感じ。
よく練られたストーリーでラストま>>続きを読む
アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞四本目。
小説家 井上光晴 が癌死するまでの4年間を追ったドキュメンタリー。今回観賞の四本の中で一番 Well-made な仕上がり。
井上光晴 とは何>>続きを読む
アップリンク吉祥寺「気がかりな映画特集」 観賞三本目。
背景を全く知らず、観賞後に本サイトの紹介文を読んで、ああそういう話だったのかと納得。
日本初のハメ撮り映画なのだそうだが、ソレよりも動物の様な>>続きを読む