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ひかりの歌のJellyfishのレビュー・感想・評価

ひかりの歌(2017年製作の映画)
4.0
「光」をテーマに一般公募した短歌から4首を選び、それを原作に4章からなるオムニバス映画に仕立てた作品。杉田監督の4作の長編のうち唯一未見だったのを特集上映で初観賞。

映画の各章も「光」と「歌」(短歌では無い) が印象的。カメラも良い。章の間には登場人物や舞台となる場所に緩やかなつながりがある。どれも、優しくて、可笑しくて、哀しくて、すごく好き。

第1章 反対になった電池が 光らない理由だなんて思えなかった
 そのまんまというか、すごく分かり易い。
 二人野球部。
 武田先生役で「群青いろ」の廣末哲万が
 出ていてびっくり。

第2章 自販機の光にふらふら歩み寄り ごめんなさいってつぶやいていた
 男はみんなキモイ、好きな人以外は。
 夜を走る。
 主人公が終始短パンだったり、
 エロ歌謡のライブシーンがあったりと、
 すごく性的な要素が強い。

第3章 始発待つ光のなかでピーナッツは 未来の車みたいなかたち
 主演の笠島智は
 「王国(あるいはその家について)」
 の演者の一人。
 「すべての夜を思いだす」を想起する
 エピソード。
 2章の彼女が顔を出しているよね?
 ピーナッツはどこへ?

第4章 100円の傘を通してこの街の 看板すべてぼんやり光る
 ベタな昭和の映画のよう。
 女も男もすごく饒舌でストレート。
 しかも男は関西弁。
 匂いは反則だよな。

性的な要素だったり、ストレートな饒舌さだったり、昭和感だったり、関西弁だったり、色々と杉田監督のイメージが覆る実に興味深い作品。
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