Jellyfish

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのJellyfishのレビュー・感想・評価

3.0
映像表現および映画業界における「MALE GAZE (男性視線)」や「男性優位性」を、ニナ・メンケス 自らが、数々の名作 (と言われている) 映画の引用で明らかにするドキュメンタリー映画 (というか教育的映画)。
男性優位な業界が生産する「MALE GAZE」な作品が、観客の男性優位的指向を助長するという循環構造。

近年「MeToo」運動で業界 (特にハリウッド) の常識が変わりつつある認識はあったが、映像表現における「MALE GAZE」の有害性については、言われてみればイチイチごもっともで、こういった表現は今でも無自覚に頻用されていることに改めて気づく。

自身、あからさまな「MALE GAZE」に不快感を感じることが増えている実感はあるし、本作を観たあっとはより一層その傾向は強まると思う。
その一方で、では、これらを踏まえた「適正な」映像表現が観て楽しいものなのか、と問われると「よく分からない」というのが正直なところ。こんなことを言っては叱られるかも知れないが、これが本能のなせる技ということなのだろうか。
「正しい」ものだけが「正しい」わけでもないだろう。
「適正な芸術性」ってなんだろう?
「正しい」って難しい。
Jellyfish

Jellyfish