フランス田舎町で起きたとある女性の殺害事件を巡って、深い穴の縁をいたずらに周り続け、挙げ句の果てに取り憑かれても、一向に核心に近づけない物語。期待通り、大好きなヤツでした。
捜査する側もされる側も、皆何かしら裏事情を抱えており、それが事件と絡まって終始モヤモヤが晴れぬまま最後まで話が進む。群盲像を撫でるの感というのか、このモヤモヤ感、最近の「落下の解剖学」で感じたものに近い。
終始重苦しくて答えの出ない話でありながら、開放感のあるラストで、それが決して取ってつけたようではなく、そこが本作の一番好きなところ。