素潜り旬さんの映画レビュー・感想・評価

素潜り旬

素潜り旬

PASSION(2008年製作の映画)

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1時間ほどで録画Blu-rayが破損し最後まで観られず…めちゃくちゃ面白かったのに!誠実さが感じられないひとが、誠実ではないと幾人からも言われ、そいつがついに本音しか言わないゲームをしたがるという昂る>>続きを読む

天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

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印象に残ったこと。

タランティーノ映画に出ているマイケル・マドセンが詩人だということを初めて知った。タクシーの車内で脚に詩を書き留めたらしい。紙がなくて、ズボンを捲り上げ、脚に書いたと言っていた。
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偶然と想像(2021年製作の映画)

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濱口竜介『偶然と想像』を観た。偶然からホン・サンス的なズームが装置となって物語が想像から離れるように邁進する様は観ていて気持ちが良いし、エリック・ロメールへの目配せもかなりあって短篇な分、自由に映画史>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

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濱口竜介『親密さ』日記 20240512

シネ・ヌーヴォで濱口竜介『親密さ』を観た。詩があり、詩人がいて、朗読会がある。劇中劇のなかで。その予兆として現実パートで突如、詩情が満ちみちた生から溢れ出す
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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20240504
第七芸術劇場で『悪は存在しない』観た。個人的な経験からとても怖く感じた。ただ、別の部分で、あなたが暴いてくれてありがとうという爽快な部分もあったり。緊張し過ぎて頭いたい。

石橋英子
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田園に死す(1974年製作の映画)

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原田芳雄登場シーン(いきなり原田芳雄が座っているからびっくりする)に憧れているから、自分が座っているところに誰かがやって来るのが格好良いと思う。

20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)

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『20世紀ノスタルジア』日記、20240502

ポール・オースターが亡くなったから『スモーク』を観始めたが、冒頭でこれ好きじゃなかった映画だと思い出してやめた。文庫は全部売ってしまったし買い直すとし
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

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ステーションシティシネマで再見。あれ、こんなにおもしろかったっけ…と思った。あの時代は良かったなあと言っている人があの時代の人に出会ってその人があの時代は良かったなあと言っているその連鎖がくだらねえと>>続きを読む

東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

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「あいつ」の後を追うと同時に、その政治性や撮影によって「あいつ」自身を浮かび上がらせていく、それが結局自分だったという結末、ではないことを詩でやろうとしている俺は結局「あいつ」になるのではないかという>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

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アンドリュー・ヘイ『異人たち』を観て号泣して、大林宣彦『異人たちの夏』でも号泣した。ホラー描写で冷めたが片岡鶴太郎でチャラだとして結局俺はポール・メスカルとアンドリュー・スコットなんだよなとか思ったり>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

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アンドリュー・ヘイ『異人たち』を観て、泣きすぎて混乱している。アンドリュー・スコットとポール・メスカルが共演だからと楽しみにしていたが、それ以上のもの、俺自身の心の揺らぎが苦しかった。生涯のベスト映画>>続きを読む

No.10(2021年製作の映画)

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『No.10』は濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』のような演劇的文体でドラマ性を明らかにする手法から〇〇(ここを書いてしまうと観る意味ないくらい)への飛躍が凄まじく、本当に公式サイトに載っている以上の前>>続きを読む

デ・ジャ・ヴュ(1987年製作の映画)

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気づいたら入り込んでいるというのはなんて優美なことなのだろう。そしてそれが幻想で終わるのではなく物的証拠としてレコーダーに残されている。ドライヤー『吸血鬼』のアラン・グレイを思い起こすようなジャーナリ>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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男女の24年の決定的な場面は12年区切りに画面内で起こっていて都合良いなあと思うし、話すのは前世や来世のこと(とにかく縁ってことなんだけれど)ばかりでやきもきする。ただその縁の象徴として存在する主人公>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

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『インフィティ・プール』観た。自分のクローンがブチ殺されるのを観るのが作家として途轍もない体験となるのは分かるが、そこから彼が(彼らが)なにも生み出さず、ただ狂気としてそこにいるだけで、作家としてどう>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

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木全支配人を演じる東出昌大、芝居凄くて顔が変わっている瞬間(若松監督にピンクの上映やめたいというシーン)があり、本当にびっくりした。若松監督を演じる井浦新が磁場として「いる」から青春群像劇のそれぞれの>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

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溶けたらいいね、昔々のこと。なんて話は前回で終わりで、現在から未来へ向かう話。それを新旧メンバーでやっちゃう。この熱さ(おまけに仲良くなるゴーストはメラメラしている)、敵は冷たい、フローズン・サマーと>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

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ナン・ゴールディンの人生と抗議運動、スライドショー作品と語りが交互に描かれ、そこで本質的に横たわる死が、横たわるナン・ゴールディンに重なり、いま行動することで起きる活動の成果を導く。逃走するサックラー>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

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2020
鑑賞時間の耐透過性を考えるたびに『アワーミュージック』を思い出す。

2024
ゴダール自身が監修したデジタルリマスター版『アワーミュージック』めちゃくちゃ鮮明だった!シナリオ採録に注釈まで
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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エキスポのIMAXで観た。T・S・エリオット『荒地』、ベニー・サフディ、フローレンス・ピュー、ヒューイ。

『オッペンハイマー』の一人称で書かれた脚本って信頼できない語り手だろうなと思っていたら案の定
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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

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『右側に気をつけろ』でのゴダールみたいな車の乗り方しかできないから、誰の車にも極力乗らないようにしているし、ゲーテの最期の言葉を勘違いしたままでいる。「いい加減にしろ!(もっと光を!)」そんな影響から>>続きを読む

一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

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SFな展開とオチよりもジム・キャリー的芝居のほうが気になった。

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

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主題歌が倖田來未なこととパンフレットが1400円なことにびっくり。エンディングの引き延ばしによって堕落していく様を見せるっていうのは、天才における結末としてありがちなうえに最後の切断とその距離感が微妙>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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エキスポのIMAXで。前作はタイミング合わず家で観たから全然楽しめなかったが、今回は最高の環境だからもう砂虫が出てくるところ全部ヤバい。砂漠を叩いて砂虫を呼び寄せるところで踊れる。というか振動で椅子か>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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1.ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』出町座で英語字幕付きを観た。三浦友和が出てきてからラストの役所広司演じる平山の表情まで完璧でこれはやばいぞ…!となったのに、そのあといらない画が二つ>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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タイミング合わず家で観たが、そのせいで何がいいんだこれ…と思った。結局、IMAXで観ること、続編を観ることによって価値が増す映画なのだろう。単独で楽しむにはジェイソン・モモア(彼の芝居とめちゃくちゃ合>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

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ホン・サンス『小説家の映画』をシネ・ピピアで。モノクロからカラーへと変わるというありがちな展開もホン・サンスにかかればゴダール的色調(コンピューターでイジリまくった変にパキっとしたオレンジがかったアレ>>続きを読む

二十代の夏(2016年製作の映画)

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『マリの話』を観た勢いそのまま『二十代の夏』もあわせてAmazon Prime Videoで。

爆笑が続いた。終盤の「お客さん笑ってたもんなあ」がかなりメタで、やられた気がした。とんでもない映画、そ
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マリの話(2023年製作の映画)

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高野徹『マリの話』を出町座で観た。詩の装置としての使い方や構成、映画自体がホン・サンスっぽいというだけでなくてピエール瀧のクォン・へヒョ味よ!第四章の「マリの映画」パート、男が萩原朔太郎「愛憐」を暗誦>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

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『ドッグマン』観た。誰でも知っている曲(「So What」とか!)が流れて、ドッグマンの誰も知らなかった物語が精神科医との対話によって明らかになる構造に、シェイクスピア劇が加わって「生きるべきか死ぬべ>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

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今年も妻と5歳の娘とドラえもんの映画に行ってきたけれど、去年のザルドス的SF(のび太がショーン・コネリー)とノーラン風味のカフカドラえもん救出劇(冒頭の虫がドラえもんだったなんて!残酷な…)に比べたら>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』について考えだしてうんざりする。まず、スラッシュの位置が変だし『遺言/奇妙な戦争』ですら良くない。ゴダールと遺言のあいだにスラッシュを入れるなら「can>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

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エンディングで「夢中人」が流れて最悪だった。笑 勘弁してくれ。この曲を流すのにも大いなる責任が伴うはずで、どの文脈があればこんなことができるんだ…と思う。エゼキエル・シムズの無駄遣いもキツいし…トーテ>>続きを読む

幻を見るひと 京都の吉増剛造(2017年製作の映画)

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吉増剛造の武器「The Poet’s Golden Hammer」彼が常に持ち歩いているハンマー、その原体験である、石を割ったら出てきたウニが空気に触れて一瞬で風化したというこれぞポエジー、彼のポエジ>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

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20240217
元町映画館にて舞台挨拶付きを。

最近のバラエティやニュース番組での東出昌大の出演はほぼ観たが、ゴシップ的な扱いや芸人のふざけた態度にうんざりした。『WILL』は確実に違うだろうと信
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アナーキー・インじゃぱんすけ 見られてイク女(1999年製作の映画)

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アリ・アスター『ボーはおそれている』より家に帰ってすぐ観た瀬々敬久監督『アナーキー・イン・じゃぱんすけ』のほうが面白かった!冒頭で提示される結末とは違う展開を迎える監督のアナーキーさ(は『菊とギロチン>>続きを読む

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