1934年製作公開。原作小宮周太郎。脚色池田忠雄。脚色補助荒田正雄。構成野田高梧。監督小津安二郎。始まりと終わりが欠落している73分版。完成版93分。生伴奏:天池穂高(ピアノ)
プロローグがなく、ラ>>続きを読む
あの時、『バベットの晩餐会』を観ていなければ、わたしは今こうして気を張らずに生きていることはなかったんじゃないかと思う。生きながら死んでいるようなそんな毎日を送っていたんじゃないかと、多分。バベットの>>続きを読む
1944年製作。原作グレアム・グリーン。脚色シートン・I・ミラー。監督 フリッツ・ラング。
椅子に座り、時が過ぎゆくのを待つ男。その時が訪れ、自由の身だ。そこは精神病院。始まりはそんな感じでなんだか>>続きを読む
今どき何でナポレオンなんだ。英雄か悪魔かみたいな惹句があったけど、かなリ平べったい描き方をしていた。フランス人にとってナポレオンとはどんな人物だったんだろう。本作で描かれたナポレオンを素直に受け入れる>>続きを読む
予告篇からなりすましの話なんだろうな、と思っていたけれど。
無戸籍の女子が必要に迫られて他人になり代わる。始めは妹、そして、という話。
年月が前後して分かり難いこともあるからか、人間関係も観ている>>続きを読む
1975年製作公開。原作林征二。脚色山本英明 、松本功。監督森崎東。同時公開は、『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』だとのこと。
本作を観ながら、昨年出版された「踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとそ>>続きを読む
1949年製作。原作ヘンリー・ジェームズ。脚色ルース・ゲーツ、オーガスタス・ゲーツ。監督ウィリアム・ワイラー。
中高生の頃読んでいた世界名作映画の紹介本に本作が掲載されていて、イケてないお嬢様がダメ>>続きを読む
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1963年製作公開。原作長谷川伸。脚色成澤昌茂。監督山下耕作。
川の土手沿いに花を摘む少女。中村錦之助がその少女に声を掛ける。きれいな花だね。この辺りから先は『フランケンシュタイン』の怪物の物語をな>>続きを読む
唐田えりかを観に行く。
人生、大騒ぎするような出来事ばかりだったら身が持たない。毎日毎日は単調でとりとめのないことの集積だ。朝起きて学校や勤務先に出掛けるルーティンを振り切って何かをしようなんて思っ>>続きを読む
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2002年製作。脚本監督イ・チャンドン。
イ・チャンドンの自由なこころがオアシスというタペストリーから、もしも、という物語を作り出す。
もしも、わたしが脳性麻痺じゃなかったら好きな男子と電車に乗っ>>続きを読む
1963年製作公開。原作水上勉。脚色鈴木尚之 、田坂具隆。監督田坂具隆。2006年に『誠実一路 「田坂具隆の世界」 with島耕二』という三百人劇場での特集で一度観ている。その時は佐久間良子のカラダを>>続きを読む
1961年製作公開。原作中村真一郎、福永武彦、堀田善衛。脚色関沢新一。特技監督円谷英二。監督本多猪四郎。
『モスラ』といえばザ・ピーナツの小美人が漏れなくついてくるものだと思っていた。
わたしが初め>>続きを読む
ほら 恥ずかしがる間敷でこっちにおいで ああ白い肌 お前の泉を探しに行き候よ ここ哉な 之哉な あっちっ哉な 此辺りが
あああ、そこが急所
おや、こんなところから泉が吹き溢れている ちゃんと脚を開>>続きを読む
伊勢佳世を初めて観たのはイキウメの舞台だっただろうか。意識したのはイキウメ退団後、NODA-MAP/Q:A Night At The Kabukiで平清盛命の六波羅禿を演じた時。東京芸術劇場プレイハウ>>続きを読む
東京国際映画祭の劇場予告で知った作品。他の作品とは少し毛色の変わった作品の様だったので興味を抱いた。趣里、森山未來だから何とか観られるのだろうとも。
終戦直後。生きるために何をしていたのかというよう>>続きを読む
エキセントリックな12歳の少女を観ながら、幼い隣人の従弟を観ながら、少女に教え諭すメイドを観ながら、そして職人の父親を観ながら、これ最近観たような作品だぞ、とモヤモヤし始める。
題名からお気楽なコメ>>続きを読む
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スージー・クアトロのキャッチフレーズは、子宮で感じるスージー・クアトロ、だった。曰く/ベースは子宮に響くのよ。/本作の女子たちは卵巣で感じる。何を?まんまるい赤い月。
なんで本作に足を運んだのかよく>>続きを読む
76歳のビートたけしに羽柴秀吉を演じさせるというところからして、北野武は歴史絵巻を描こうとしたのではないだろう。徳川家康役の小林薫も72歳の老人だし。でも、しっかりと戦場は描いておりました。監督の意に>>続きを読む
1967年製作公開。原作川端康成。脚色井手俊郎、恩地日出夫。監督、恩地日出夫。
タイトルロールに酒井和歌子の名前があったのでいつ出て来るんだろうと目を凝らしていたんですが。
天城の山は10代の終わ>>続きを読む
ラスト。さとうほなみの背中を追う綾野剛。「さよならの向う側」のメロディが静かに流れていく。♬約束なしの お別れです/後姿 みないで下さい♬ あの日、俺は、親友と彼女の姿をみえないフリをした。聞こえない>>続きを読む
『つづれおり』(Tapestry)が発売されたのは1971年。ラジオから毎日“It's Too Late”が流れていた。未来があるなんて思えもしなかった日々にこのワンフレーズは堪えた。この世界に愛なん>>続きを読む
1970年代にテレビで観た記録があるんだけれどちゃんと観たくなって、ようやく。
この間、向井理、水川あさみの「リムジン」という芝居を観たのですが、自分の仕出かしてしまったことを隠し通そうか、告白しよ>>続きを読む
1963年製作公開。原作平林たい子。脚色八木保太郎。監督鈴木清順。
松原智恵子(18歳)、進千賀子(19歳)、中原早苗(28歳)がセーラー服で登場する冒頭シーンにちょっとめまいがしてきます。そんな時>>続きを読む
彼女を知ったのは「六番目の小夜子」という舞台だった。その舞台を観に行く道すがら、何故にそのチケットを購入したのか分からない、ああ、行くの面倒くさいなと思っていたものだった。小さな劇場に着くとパンフレッ>>続きを読む
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エンドロール終了後、新宿ゴールデン街にあると思しきバーが映し出される。店主は映画雑誌を広げ、カウンターには若い女。女は携帯で、もう来ているよ、待ってると言いながら店主にビールとグラスふたつ、と注文する>>続きを読む
検察事務官宇野祥平は検事稲垣吾郎に資料を出す。それは、2003年の小さな新聞記事で「警察施設に侵入し、水を出しっぱなしにして蛇口を盗んだとして、岡山県警は22日、同県の西部日本新聞配達員、藤原悟容疑者>>続きを読む
名門法都大学に幽霊が出る。無辜ゲームという幽霊である。何で名門法都大学に廃墟があるんだかよく分からないが、そこでロースクールの連中が疑似法廷のゲームをしている。しかもかなりレベルの低い話だし、端的に言>>続きを読む
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東京湾から銀座に入り込んだゴジラ。大戦の戦火冷めやらぬ地にて追い打ちをかけるように暴虐無人に街路を蹂躙する。銀座に職を得ていた浜辺美波の安否を気遣う神木隆之介がそこに向かうと、逃げ惑う大群衆の中にゴジ>>続きを読む
預金口座に10万円の残高しかないから人生に詰んだ?会社を辞めてもフリーランスの記者として仕事もそこそこあったし、20代最後の誕生日を祝ってくれる友だちもいるし、病気で倒れればお母さんが見舞いに来る。ど>>続きを読む
90分の作品なんだけど、情報量の多い物語を実にスピーディに紡いでいって、しかも飽きさせない。
警官が地方検事宛の遺書を残して自殺する。その妻バーサはその遺書を手に取り、とあるところに電話する。まずひ>>続きを読む
げっ。鑑賞記録を見たら1970年月曜ロードショーで観ている。そんな昔だったんだ。冒頭のシーンとラストの自動車のシーンしか覚えてないんだけど。何も知らない少年にはそのシーンだけで十分だったろうけど。>>続きを読む
そのものズバリのケネス・チェンバレン殺害事件。83分の作品で、如何にして警察官がケネス・チェンバレンを撃ち殺すに至ったのか。
本作を観ながら『福田村事件』を思い起こした。関東大震災の混乱に紛れて社会>>続きを読む
自作の脚本で映画監督としてデビューできることになった松岡茉優は自分のかんがえをどれくらい入れられるのか、業界に長いプロデューサー、助監督にそうじゃない、業界の常識、君はまだ若い!なんて言われてるけど、>>続きを読む
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1971年製作公開。脚本ハリー・ジュリアン・フィンク、リタ・M・フィンク 、ディーン・ライズナー。監督ドン・シーゲル。高校生の頃日本でも公開された。『フレンチ・コネクション』と同時期に公開されていて、>>続きを読む
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刑事ベン・アフレックに追いつめられ彼の同僚刑事ふたりに銃口を向けられたウィリアム・フィクナーが、彼らに何か囁きかけると銃口はベン・アフレックに向けられる。ウィリアム・フィクナーは脳をハッキング出来るん>>続きを読む
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謎のワードが沢山出てきてもはや何が何だかわかりません。出演者に大西礼芳の名前があったし、濱口竜介監督と共に「ドライブ・マイ・カー」の脚本を手がけた大江崇允監督によるミステリー、などとどこかに書かれてい>>続きを読む