点滅している信号機
渡ればいいのに
立ち止まった理由だけが
思い出せない
瞬く間に
染まってゆく世界を
滲ませたくはなかった
あと一歩で
変わるんだろう
知っているし
考えたこともあった
誰の手の>>続きを読む
逢いたい
そう願うよりも
もっと簡単に
出逢ってみたかった
一つずつ
確かめながら今は
抱きしめる
愛を掴まえて
もうずっと
飼い馴らそうなんて
できっこないのに
何度も
また何度も
信じてしまう>>続きを読む
画期的な昨日と
不都合な未来では
捲るページの
重さが違う
利き手からすればそれは
取るに足りない
誤差のようなものでも
見えてしまったら
その続きを
読んでしまったら
同じようには
動いてくれな>>続きを読む
こんな時こそ
小さな声が
響いてやまない
うるさい
消えてしまった方が
いつだってそれは
通り雨
その置き土産
水溜まりに
写った青空には
揺れる花
きっと花瓶は似合わない
うやむやに
混ざり合っ>>続きを読む
最後まで
溶けなかった
カップの底に残る
砂糖のよう
どこか淋しそう
そう見えてしまうのは
いつものこと
余白があるだけで
幾らでも
それを埋めるかのように
空想は捗って
夢の境目までも
滑らかに>>続きを読む
泣くくらいならば
やんわりと
考えもなしに
逃げてしまえばよかった
.
独り言の鮮度が
目に見えて
落ちてゆくように
.
回れ右で
なりふり構わず
何処までも
遠ざかる背中の温もりに
込み上げる優しさ>>続きを読む
心を静かに
覗いてみれば
遠くの方
明滅と独り言つ
涙ながらに
握りしめた手の中
隠し持ったまま
汚い花束で
殴り合う
寄せ集めの色なんて
綺麗に混ざらない
飛び散った種子からは
いつの日にか
そ>>続きを読む
喜劇の最中
割れた花瓶から
零れるものは
一つだけ
硬く冷たい床の上
汚れてゆく
幾つかの模様
それすらも
染みになるように
広がれば
いつの間にやら
趣とやらに間違われ
知らぬ誰かに
もて囃され>>続きを読む
長い嘘をつくと
ある日突然
何処かしらで
ぷつんと
何かが切れてしまう
それは夢のような
起き抜けに襲いかかる
疲れとは違う
頑張って膨らませた
風船の口を
結ぶ前にふと
手を離してしまい
あっと>>続きを読む
いつか見た夢の
流れやクライマックスは
憶えているくせに
始まりだけが思い出せない
呑み込めない
柔らかいだけの
言葉たち
醒めるくらいならば
もうこのまま
眠り続けるのも
また一つの選択肢
散り>>続きを読む
昨日までは台拭きだった
布巾をたった今から
雑巾にしてしまうこと
その違和感
連続する一瞬を
勝手に止めておいて
懐かしもうなんて
巡りかけた
その波に乗って
流れ着くのは
知らなかった季節
現像>>続きを読む
叶わなかった
夢の数だけ
星は輝き続ける
同じ光になるまで
忘れられる
そんな幸せなことを
知らないなんて
消えて
どうせ見えないくせに
一体いつまで
信じていればいい
どっちにしても
長くは持た>>続きを読む
考えようにも
ヒントが少ない
だから
黙る前に
歩き出した
世界の大きさよりも
ほどけた靴紐が
今は悩ましい
旅かどうかなんて
決めたゴールの
あるなしでしかなくて
どうせならば
もっと単純なこと>>続きを読む
声にならない声の墓場
半ば無理矢理に
捨てたものが
美しく腐ってゆく
消えるまでに
残された猶予などでは
どうしても足りない
素晴らしかった
堕ちるまま
その姿さえも
見届けて
手を振り返してくれ>>続きを読む
いきなり雨は降らない
耳をすませると
遠くからその足音が
聴こえてくる
前に読んだ小説の一節を
ふと思い出しては
見つめていた空
優しいから
濡れてしまう
いつだってその傘は
あなたの手には残らな>>続きを読む
くだらねぇと
吐き出した
唾と煙で
汚してしまった空
気持ちばかりの星屑も
賑やかし程度で
何も照らしはしない
選んだのは
誰でもなく自分
数ある中から
今を見た
信じるしかないだろう
可愛くて仕>>続きを読む
傾きながら
落ちてゆくのを
眺めることしかできなくて
優しく噛み締める下唇
時代の岸辺で
逆立ち
しても同じ
数えるのはいつも
少ない方だから
大体のところで諦める
察しのついた
懐かしい響きより>>続きを読む
星は回りながら
時を超える
彩り深く
懐かしそうに
そうだった
愛と名づけられた
あなたの中でも
熱を帯びては
膨らんで
一人きりではもう
抱えきれないくらい
大きくなった
このまま割れてしまうか>>続きを読む
僕はこの道が好き
何かに出逢える
そう考えながら向かう
足が跳ねる
そうして
いつかは橋を渡る
知りたくなって
大丈夫
ちゃんと実る
その想いは
遠くまで届くから
信じるままに
行けばいい
背中を>>続きを読む
見つけられないのは
きっとどこかで
見つけたくないと
思ってしまっているから
信じるだけで
輝くなんて
都合のいい一番星だ
消えてしまう前に
どうか一度でも
夢を見たい
呑み込んだ小さな声を
思い>>続きを読む
消えそこなった
傷が空の星
美しいなんて思った
私の過ち
終わりにしたかった
切り取った画角の中でだけ
泣いている
欲しがったばっかりに
夢に見てしまう
昨日のような
未来のよう
憧れたままではも>>続きを読む
ふとした頃
零す涙に
光が跳ねても
落ちる寸前に消える
知らず知らず
まだ一つ
残っている
熟れるつもりだった
嘘は青いままで
喉元を過ぎてもまだ苦い
肚の中でゆっくり
黒く昏く深く
腐ってゆく>>続きを読む
つもりもなく
落ちるのならば
せめてこんな手でも
摘みたかった
新しいまま
忘れられるなんて
まさか
荒々しく割れて
それでも
粉々にまでは
なれなくて
破片ばかりを集めては
もう一度だけ
知った>>続きを読む
深さは
透明度を
濁らせながら
誤魔化した
大きな穴がそこに
あるということ
それでも
知らないで
落ちればいいと
思ってしまう
夢であればいいなんて
せめて夢の中では
願ってもいいだろう
美しさ>>続きを読む
埋まっていたから
空っぽになって
初めてその
広さに気がついたんだ
もちろん届く訳もなくて
伸ばした手が
風すらも掴み損ねる
何を抱きしめる
この胸に
収まりきらないサイズでも
ただぎゅっと
強く>>続きを読む
なんで今さら
涙が出てくるの
誰のために
泣いているの
尤もらしい理由が
欲しかったのではなくて
独りは嫌だった
一度に咲いて
一斉に散る
夜空に残らない
あんな花火のように
なんてね
暗闇に慣れ>>続きを読む
蹴っていた石が
なくなっていることに
今さら気づいたって
返ってくることはもうない
つもりのままで
ここまで来てしまったら
最後までそのまま
信じ続けるしかない
見えてしまっても
まさかの向こう側>>続きを読む
演じるだけで
信じてはいない
演じるだけで
忘れてはいない
何かの合図で
ふと思い出すような
余白がない
隅々まで
埋め尽くした私
今さら
誰かにはなれない
知っている
慣れている
このままでただ>>続きを読む
痛いけれど
痛いまま
抱きしめてしまう
流れるものがあったとしても
ここから
見つけられるものが
きっとありそうで
高い所から
何を語る
届かないだけで
こんなにも苦しいのに
遠い所まで
いつか行>>続きを読む
消えないで
そう願うのは
流れることすら
叶わぬ星
見上げなくても
信じられる
その内に
果てしない隣り
たぶん二人
独り言ばかり
散らかった部屋
片づけるにしては
明る過ぎる
まだ今は
このまま>>続きを読む
時は来た
そう言い切れる
理由を知って
抱きしめた
大切であれば
ある程に
離しがたくもなる
心ごと
奪ってくれたら
こんな不安も
感じない
それでもやっぱり
一つとして
外せないものだって
ある>>続きを読む
信じることで
変わってしまう
ふとした未来にも
君は居る
逢いたかっただけなのに
二人きりなんて
話が違う気がしても
壊れかけの
タイムマシーンで
一か八か
飛び出したりすれば
何かの弾みで
あぶ>>続きを読む
いのちはね
一つってことは
ないんだ
いのちはね
一度ってことも
ないんだ
黙々と
ひろがる煙が降らせる
あたたかい雨
湿らせる窓
立ち込める湯気に
満たされたまま
思い出す
忘れたかったことほ>>続きを読む
どうしてだろう
どうして泣いているの
何も諦める
ことなんてなかった
一口大に
ちぎって食べれば
汚れないから
あとは
返すだけ
貰ってばかりの
奇跡にちょっとだけ
飽きていたところ
よく噛んで>>続きを読む
余ってしまう
心の切れ端
同じ形に
揃えようとする
半分こにするのは
いつも難しいけれど
よくあるハート
忘れないで
忘れたくなかったってこと
こればっかりは
どうしようもなくて
忘れないで
忘れ>>続きを読む
涙がちゃんと
流れ落ちる
その重さにきっと
意味があるから
泣く時は空を向いて
声に出して
惜しげもなく
思えば
生まれた瞬間から
泣いていた
一人では
生きていけないことに
早くも気づいて
すぐ>>続きを読む